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【放送芸能】

原発事故、極限の5日間 「Fukushima 50 フクシマフィフティ」あす公開

撮影を振り返る佐藤浩市=東京都新宿区で

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 東日本大震災の津波で起きた東京電力福島第一原発事故で、極限状況の原発内にいた職員たちの姿を描いた映画「Fukushima 50 フクシマフィフティ」(若松節朗監督)が製作された。主人公の一、二号機の当直長伊崎利夫を演じた佐藤浩市(59)は九年前の大惨事に思いをはせ「一分、一秒先がどうなるのか分からない現場にいる不安感と、原発の地元で育った人間の思いを表現した」と話す。 (竹島勇)

◆主演・佐藤浩市「不安感と地元の思い表現」

 関係者の証言に基づいた門田隆将のノンフィクション「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」(角川文庫)を原作にした劇映画。発災から五日間、約五十人の作業員は最悪の事態を引き起こさないようにと、放射線量の高い原発内で力を尽くした。タイトルは海外メディアがたたえて名付けた作業員たちの呼称から取った。

 「3・11」の時、佐藤自身は東京都内の自宅近くのコンビニで遭遇。棚の商品が崩れ落ち、「これは普通の地震じゃない」と、妻子の安否を案じたことを記憶している。今回の出演依頼に「問題は解決せず、記憶が生々しく残っている中、時期尚早では」との迷いもあったというが、完成した今「過去の記憶になってからでは遅い。逆にぎりぎりのタイミングだった」と考えを改めた。

 原発内をリアルに再現したセットで撮影。激しい津波や余震の中、全電源を喪失。伊崎は原子炉格納容器の圧力を抜くための作業「ベント」を手動で実行するため、危険な区域に作業員を向かわせる。また、渡辺謙(60)が演じた盟友の吉田昌郎所長との強い絆、右往左往する東電本店や政権などと交わした激しいやりとりなども描かれている。

 伊崎らをヒーロー視した作品ではない。伊崎の家族は避難所で肩身の狭い思いで暮らし、伊崎は地元に住めなくなった知人らに深々と頭を下げわびる場面がある。「みんなが知り合いの地域で原発は親の代からあった。東京の人間の感覚とは違うはず」と語る。

 所長だった吉田は後に病死。「当初は吉田さんの葬儀がラストシーンだったが、みんなで話して、一部が帰還困難区域の(福島県)富岡町で象徴的な場面を新たに撮影した。そのシーンに希望を感じる人もいれば、そうでない人もいると思う。原発が投げかけるさまざまなことにいろんな思いを抱いてほしい。それが僕が込めた思い」。一気に息を吐き出すように話した。

 六日公開。吉岡秀隆(49)、安田成美(53)らが共演。

「Fukushima50フクシマフィフティ」から

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