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【放送芸能】

「演歌の花道」名物セットで再び BSテレ東 20年ぶりレギュラー復活

(左上)バーの外観 (右上)バーの店内のセットで歌う増位山太志郎 (右下)居酒屋の店内 (左下)駅前

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 一九七八年から二十二年の長きにわたって、演歌ファンに熱く支持されたテレビ東京の「演歌の花道」がレギュラー番組としては、二十年ぶりにBSテレ東でよみがえる。名物ナレーション、凝ったセットで歌手たちが叙情豊かに熱唱する番組の持ち味はそのまま。スタッフは「トークなどはそぎ落とし、歌だけで勝負する番組」とし、本格派や精鋭がそろう看板復活に自信を示す。 (藤浪繁雄)

 声優の故来宮(きのみや)良子の「浮き世舞台の花道は/表もあれば裏もある…」と切り出す名調子の語りでオープニングを飾り、細部にまでこだわったセットで歌手たちがドラマチックに歌い上げた。その歌唱シーンは「質が高い」と視聴者から好評で、放送は二十二年間で計千百七回を数えた。レギュラー番組終了後は、折に触れスペシャル版として、テレ東やBSテレ東で放送された。

 七日スタート予定の「BS演歌の花道」(火曜午後七時)の収録現場をのぞくと、バーや小料理店が並ぶ路地、レトロな駅や民家、哀愁漂う波止場などのセットが並んでいた。まるでドラマの収録現場のようだ。来宮の後継の語り手、杉本るみの低く抑えたトーンのナレーションに合わせ、歌手たちが入れ替わりに登場し、熱唱していた。どの歌手もマイクを持たない。セットから漂う雰囲気に自身を溶け込ませ、細かい表情や身ぶりも重視しながら歌の世界をじっくり紡ぎ出していく。これも番組の伝統だ。

熱唱する堀内孝雄

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 テレ東のレギュラー番組当時からプロデューサーなどとして携わる橋山厚志さん(70)は「リアルなセットは歌の世界観を引き立たせる。ナレーションもセットも心象風景で、歌の本質を表現するため」と語る。宮川幸二プロデューサーは番組名物のセットについて「歌手と歌を決めてから、その歌に合うセットを考えて作る」と明かし、「この技術を次世代に伝える必要がある」と話す。若手は繁華街などを視察し、参考にしているという。

 歌手も番組復活を喜んでいるという。収録に訪れた堀内孝雄は、ほかの歌番組との違いに「歌手泣かせの番組と感じた」と明かす。しかし、出演を重ねるうち「出られることはステータス。いっぱしの歌手として認められたということ。復活はうれしいね」と笑顔を見せた。

 演歌に元気がないといわれて久しいが、高齢の視聴者が多いBS各局では、演歌系の番組がキラーコンテンツという。「演歌の花道」の開始でさらに激戦になりそう。番組は前半三十分を過去の傑作映像、後半三十分を新作で構成する。

◆最多出演の小林幸子 職人の力結集 若者も見て

2011年の「スペシャル」に出演した際の小林幸子

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<歌手勢で最多の160回以上もの出演歴がある小林幸子の話> 演歌を大切に扱ってくれる番組だけに、(復活は)うれしくてしようがないですね。ボロッと泣けるナレーション、季節感あふれるセットで「自分が主人公」という気持ちで歌の世界に入っていける。この番組ならではの魅力です。音響さんや照明さんらスタッフが職人ぞろいで労を惜しまない。マイクは衣装などに付けますが、夏物のワンピースを着て出た時、太ももに付けたらマイクがズレてきたこともあったわね。

 演歌離れといわれる時代ですが、若い世代にぜひ見てほしい。演歌の歌詞の言葉の美しさも感じてほしい。歌詞の行数(言葉数)は少ないけれど、その行間に込められた感情や思いをイメージできる。この番組がそんな日本語の素晴らしさを理解する機会にもなってほしいですね。

 

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