東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 放送芸能 > 伝統芸能一覧 > 記事

ここから本文

【伝統芸能】

片岡孝太郎 27年ぶり上演に意欲 当たり役なるか?女鳴神「三月大歌舞伎」

 東京・歌舞伎座の「三月大歌舞伎」昼の部で、歌舞伎十八番の一演目「鳴神(なるかみ)」の“女性版”「女鳴神(おんななるかみ)」が27年ぶりに上演される。美男に心揺さぶられる鳴神尼を初役で演じるのは片岡孝太郎(51)。「話をいただいてびっくりした」というが、「今回やったらまた再演したい」と自身の当たり役となることを目標にしている。 (山岸利行)

 父の敵を倒すため、秘法を使って雨を降らさずにいる鳴神尼。そこへ美男の雲野絶間之助(くものたえまのすけ)(中村鴈治郎)が登場、秘法を破って雨を降らせようと鳴神尼に近づく。当初は絶間之助を怪しんでいた鳴神尼だったが、身を乗り出して話し込むうちに壇上から転げ落ちて気絶。絶間之助は滝の水を口移しで鳴神尼に飲ませて介抱、鳴神尼の警戒心も薄れていき…。高僧が美女によって堕落する「鳴神」の男女逆パターンの展開。

 前半は女性らしい鳴神尼が終盤、キャラクターが豹変(ひょうへん)する落差が見どころ。「前半は強くなく、女性らしく。そして、転がり落ちて気絶するのは『鳴神』と同じ。口移しで水を飲ませる場面でエロチシズムを出していくと、お客さまには(芝居に)入りやすいかも」と話す。

 一九九一年に歌舞伎座で名優の四代目中村雀右衛門が演じた鳴神尼をベースにしたいというが「いい意味で変えていきたい」と自分なりの鳴神尼を築き、当たり役にしたいと意気込む。

 夜の部「盛綱陣屋(もりつなじんや)」では、父の片岡仁左衛門(74)が佐々木盛綱、孝太郎が盛綱の妻早瀬という配役で、親子で夫婦役を演じる。兄弟で敵味方に分かれて戦う壮絶な人間ドラマの名作。

 「(仁左衛門と)一緒に舞台に出ていて、父と思ったことは一度もない」と明かし、「親子であることを忘れてもらい、すてきなカップルと思ってもらえるようにしたい」という。

 平成も残りわずか。「歌舞伎座や南座(京都)が新しくなり、大きな変わり目の時期だった」と振り返りつつ、新しい時代に「わくわく感がある」と期待を込める。長男千之助(18)が大学に入り、一緒に舞台に立つことも。「うち(松嶋屋)の芸の型は何だろうと考えた時、それは『役に取り組む精神』だと思う。それを息子に伝えていきたい」と親心をのぞかせた。

       ◇

 「三月大歌舞伎」は三〜二十七日。昼の部(午前十一時開演)はほかに、「傀儡師(かいらいし)」(松本幸四郎)、「傾城反魂香(けいせいはんごんこう)」(松本白鸚ら)。夜の部(午後四時半開演)はほかに、「弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)」(幸四郎=奇数日、市川猿之助=偶数日=ら)など。

 チケットホン松竹=(電)0570・000・489。

<かたおか・たかたろう>一九六八年一月二十三日生まれ。十五代目片岡仁左衛門の長男。七三年七月、歌舞伎座「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」の市松で孝太郎を名乗り初舞台。娘役から武家女房など幅広い女形を中心に活躍している。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報