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【伝統芸能】

<新・笑門来福 春野恵子>光秀から幕末まで 演目ごとに元号お勉強

 来年のNHK大河ドラマの主人公が明智光秀ということで喜んでいる。

 浪曲界に入門して初めて覚えた演目は「出世太閤記〜秋風矢矧(やはぎ)の橋」。秀吉(日吉丸)十三歳、一五五〇年頃のお話。光秀の生年ははっきり分かっていないらしいのだが(なので、大河ドラマではどのように描くのか興味深い)、十代から二十代前半くらいだろう。もちろんこの物語には光秀は出てこない。

 次に覚えた演目が「斎藤内蔵助堅田(くらのすけかただ)落ち〜落花恨みなし」。こちらは光秀の家臣で、春日局の父としても有名な斎藤利三が主人公。ところがお話は本能寺の変のあと、そして光秀も亡くなった直後のお話なのだ。ニアミスである。

 あまりに悲しすぎるお話で、普段めったにかけることがないのだが、来年は大河ドラマにかこつけて、かける機会も増えるかなというのが嬉(うれ)しい。

 本能寺の変といえば「いちごパンツ」=一五八二年。元号で言うと天正十年。そうだ。改元にちなんで、自分の演目に文言として出てくる元号を調べてみよう。

 天文(太閤記)、天正(落城の淀君)、元和(げんな)(落城の淀君)、寛永(田宮坊太郎)、明暦(番町皿屋敷)、寛文(お夏清十郎)、元禄(藤十郎の恋、貝賀弥左衛門、梶川大力の粗忽(そこつ))、享保(女殺(おんなごろし)油(あぶらの)地獄(じごく))。

 浪曲の中で元号を明示しているのはこれだけ。他にも「おさん茂兵衛」が天和だったり、「樽屋おせん」は貞享だったりするが、これらは浪曲の中では語ってはいない。いちばん演目が密集しているのは、やはり元禄の前後。華やかなりし時代。

 昨年、天誅(てんちゅう)組(幕末の尊皇攘夷(じょうい)派の武装集団)の吉村虎太郎の浪曲を作ることになり、幕末史にハマりにハマった。そもそも浪曲の演目は幕末を描くものはあまり多くなく。入門以来、演目の背景を勉強するにしても、幕末には目が行かなかった。その反動のように夢中になり、本を読んだりドラマや映画を観(み)たりして胸熱な日々を送っていた。

 そして最近、「宇宙兄弟」や「ドラゴン桜」の編集者として有名な佐渡島庸平さんがおススメされていたので、みなもと太郎氏の漫画「風雲児たち」を全巻買いして読み始めた…というところで、ちょうど時間となりました。またの機会とお預かりぃ♪ (浪曲師)

(春野恵子さんのエッセーは四月まで水曜掲載でしたが、五月からは金曜に随時掲載します)

 

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