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【伝統芸能】

歌丸念願 「芸協」新時代 昇太会長、若手にチャンス 落語普及に意欲

 落語家や講談師、演芸家ら約二百六十人が所属する「落語芸術協会」(芸協)の新会長に、日本テレビ系「笑点」の司会者としても知られる春風亭昇太(59)が就任した。前会長の桂歌丸の死去から一年。芸協を率いる重責も引き継いだ。先月三十日、結婚を電撃発表し、笑点でおなじみだった“五十九歳の独身キャラ”とおさらばした。文字通り心機一転、芸協の新体制が始まった。 (酒井健、神野栄子)

 「僕の想定より早い。でもこういうこと(会長職)は、バリバリ働けるうちにやったほうがいいかなと思っている」。六月二十七日、東京都内であった就任会見で、昇太はこう心境を語った。

 落語界の現状について「お客の数も増え、落語家になりたい人も急激に増えている」と分析。低調だった時期もあったが、芸協では二つ目の有望株をユニットにして売り出し、新たなファンを増やした。昇太はそのような創意工夫を凝らしやすい環境づくりに努めてきた。

 課題として「若手の競争も大変になってくる。協会としてどう解消し、サポートできるか」と見通し、そのために「(芸協では)若手の話す場を積極的につくっている。そういうことで(引き続き)カバーしていきたい」と力説。また、普及活動にも意欲を見せ、小学生の寄席への招待や落語会の地方開催といった芸協の事業を挙げ、「いろいろな地域で生の落語を聴いていただけたら」と期待を込めた。

 一九八二年に、新作落語の名手、故春風亭柳昇に入門。努力を惜しまず精進し、若いうちからスターとなった。新作の名作も数多く創作し、古典もこなす。

 その昇太会長から副会長に指名された春風亭柳橋(63)が「頑張っている若手に、うまくつないでいく役割ができたら」と“女房役”としての抱負を語っていたが、その三日後、昇太が一般女性(40)とのまさかの結婚を「笑点」で発表、世間を驚かせた。

 長らく芸協の顔だった歌丸がこの世を去ってから一年。会長代行だった三遊亭小遊三は「(歌丸のことは)笑点でもよく扱うし、あまり(亡くなった)実感がない。まだ柳の木の下にいるんじゃないか」としのび、昇太も「亡くなって時がたつにつれ、存在は大きかったと感じる」としみじみ。ある記事で晩年の歌丸が「小遊三、(桂)米助、昇太に頑張ってもらいたい」と話していたと言い、「そういう意味では(自身が)会長、(小遊三、米助が)参事になり、思いは伝わった」と“ニュー芸協”に自信も示した。

◆骨太の協会期待 横浜にぎわい座・布目英一館長

 春風亭昇太新会長について、演芸研究家で横浜にぎわい座のチーフプロデューサーだった布目英一さん(58)は「東京都内の寄席で昇太さんがトリを取る時には二つ目を3人出すなど、若手に出演の場を与える巧みな番組構成をする。若手の色物(落語以外の出し物)も増えた」と実績を示し、「家族で楽しめる骨太の芸協になることに期待したい」とエールを送る。

 布目さんは今月、同座の2代目館長の歌丸が死去後、空席だった館長に3代目として就任した。重責を歌丸から引き継いだ点で、昇太と共通する。布目館長は「歌丸師匠の実地に即した指示は、大変勉強になった。師匠は『落語の演目をきちんと知ってもらいたい』とよく言っていた。その理念を受け継いでいきたい」と抱負を語った。

 

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