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【伝統芸能】

「新版オグリ」ダブルキャストで スーパー歌舞伎II 新橋演舞場で6日から上演

 スーパー歌舞伎II(セカンド)「新版オグリ」が六日から、東京・新橋演舞場で上演される。三代目市川猿之助=現猿翁(79)=による「オグリ」は一九九一年に初演され、劇的なストーリー展開や豪華な衣装、壮大な演出などで演劇界に新風を巻き起こした。「新版−」は、当代(四代目)猿之助(43)と中村隼人(25)がダブルキャストでオグリを演じる。平成に生まれたオグリは、令和時代にどんな作品に生まれ変わるのか。 (山岸利行)

 小栗判官(オグリ)は縛られることを嫌い自由に生き、照手姫(てるてひめ)と引かれ合う。だが、オグリは照手姫の父に殺され地獄に落ちる。閻魔(えんま)大王によって現世に戻され生き返ったオグリは、遊行(ゆぎょう)上人の導きで善意の人が引く車に乗り、熊野をめざす。現世と彼岸を行き来する中で、人として成長していく姿を描く。初演の「オグリ」(梅原猛原作)の骨子を生かしながら今回は、横内謙介の脚本、当代猿之助と杉原邦生が演出を担当する。

 猿之助と隼人がオグリを交代で演じながら、同時に遊行上人も交代で演じるのが「新版−」の特徴。また、オグリと遊行上人の二人が客席の左右に分かれ、同時に宙乗りするのも新橋演舞場初の試み。今作では、遊行上人もオグリと同じように悩み成長していくキャラクターとして描かれる。

 猿之助は「オグリも照手姫も自由に生きたいと思っている。自由をつぶすのが嫌な二人が響き合っている」とメインキャラクターの関係性を分析。そして「地獄で説教を受けて自分の過ちが分かり、生き返ったオグリが人のために生きることを喜びとして感じる。一番のテーマは『喜びとは何だ』ということだと思う」と力を込める。

 隼人は「一人で芝居を引っ張っていく難しさがあり、大変なお役だと思う。仏教の言葉もあり、かみくだいて自分の中で消化していきたい」と気を引き締めながらも「猿之助兄さんがいらっしゃるので、自由にやりたい」と猿之助との共演を楽しみにしている様子。

 現代にも通じる作品を意識し、オグリと仲間の衣装にストリート系ファッションの要素を盛り込んだり、現代社会を風刺したりする場面も予定されているという。

 公演は六日〜十一月二十五日。出演はほかに、坂東新悟、市川男寅(おとら)、浅野和之ら。チケットホン松竹=(電)0570・000・489。

<スーパー歌舞伎> 「時代とともに生きる歌舞伎」を創りたいという市川猿翁(当時・三代目市川猿之助)の思いから生まれた、新しい歌舞伎のジャンル。ドラマチックでスピーディーな物語展開や斬新な衣装、舞台美術などが特徴。1986年、哲学者・梅原猛の書き下ろしで「ヤマトタケル」が上演され、その後、「リュウオー・龍王」などが発表された。「スーパー歌舞伎II」は当代猿之助がその精神を継承、発展させ、「ワンピース」などを上演し、好評をとった。

 

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