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【伝統芸能】

玉三郎、白雪姫に挑戦 歌舞伎座・十二月大歌舞伎

 東京・歌舞伎座の「十二月大歌舞伎」夜の部で、坂東玉三郎(69)がグリム童話の名作を題材にした新作歌舞伎「本朝白雪姫譚話(ほんちょうしらゆきひめものがたり)」(竹柴潤一脚本、玉三郎補綴(ほてつ))に主演する。ディズニーのアニメでも知られる有名な作品だが、玉三郎は「お客さまとの一期一会を大事にしたい。気持ちのいい時間を過ごしていただけたら」と語る。 (山岸利行)

 名家の奥方である野分(のわき)の前(まえ)がかわいい赤ちゃん(白雪姫)を授かる。白雪姫が美しく成長する一方で、自身の美しさが崩れていくのを心配する野分の前。ある時、鏡の精も白雪姫の方が美しくなったと認める。悔しい思いの野分の前は琴の弾き比べで勝負を挑む。さらに、白雪姫を亡き者にしようと家臣に命じるが…。

 美しい白雪姫と、その美貌をねたんで鏡に「美しいのは誰?」とたずねる母親といった原作の筋立てをベースにしているが、「江戸や明治ではなく、日本の天正時代という設定で、もともとのグリム童話より鏡と母の話を意味あるように(脚本を)書いてもらっている」と玉三郎。

 歌舞伎の舞台での「白雪姫」は、日本俳優協会主催の「俳優祭」で余興的にこれまでも上演され、二〇〇七年に白雪姫を演じた玉三郎。「俳優祭は楽しかった」と振り返るが、今回は正式な演目。「歌舞伎座という大きな空間で、お客さまに納得していただけるように演じたい」と気を引き締める。

 昼の部では、女形屈指の舞台といわれる名作「壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき) 阿古屋(あこや)」で遊君阿古屋を演じる。阿古屋は昨年の「十二月大歌舞伎」に引き続き、玉三郎、中村梅枝(32)、中村児太郎(25)の三人が日替わりでつとめる。一昨年まで長年阿古屋を演じてきた玉三郎が「若い世代への芸の継承を」と、若手の梅枝、児太郎を指導。三者三様の阿古屋で評判をとった。

 「去年よかったから、何十年後でなく、今年もやろうと。衣装、楽器も三人分そろえたので」と玉三郎。「阿古屋をいろいろな人がやるのはいいこと。梅枝君や児太郎君がやることで心情的に開放される」とも話し、一身に重責を担ってきた自身の心の内も明かす。

 今年は文化功労者にも選ばれた。「『役者は刹那刹那、今日この一日を生きていかないと』と思う。今月(の興行が)良かったから、来月もいいという保証はありません。劇場に来てくださる人のために最大のことをする」と観客ファーストの姿勢を強調した。

     ◇

 「十二月大歌舞伎」は十二月二〜二十六日。昼の部(午前十一時開演)はほかに、「たぬき」(市川中車)など。夜の部(午後四時半開演)はほかに、「神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし) 頓兵衛住家(とんべえすみか)の場」(尾上松緑)。

 チケットホン松竹=(電)0570・000・489。

 

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