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世界遺産 国立西洋美術館開館60周年記念 ル・コルビュジエ 絵画から建築へ−ピュリスムの時代

<私の一点>(下)《多数のオブジェのある静物》 優しく降り注ぐ光

シャルル=エドゥアール・ジャンヌレ(ル・コルビュジエ)1923年油彩、カンヴァス114×146cmパリ、ル・コルビュジエ財団(C)FLC/ADAGP,Paris&JASPAR,Tokyo,2018B0365

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 天窓から降り注ぐ光が柔らかにあたりを包み、ぐるりぐるりと中心から外へと広がる回廊は、そのままどこまでも無限に続くかのようだ。移動に応じて視界の様相ががらりと変わるけれど、どこに立ったとて頭上から差す光によって開放的で優しい空気に満たされていて気持ちがいい。

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 特に目を引いたのは《多数のオブジェのある静物》。頑(かたく)ななまでに規則性にあふれていた彼の絵は、新しい目を手に入れたかのように、平面的に描かれたビンやグラスを判別できないほど、複雑に重ね合わせた重層的な空間へと変化している。

 半透明な色面は互いの存在の奥行きまであいまいで、なんだか夢のよう。この頃から作風の違いが明らかになってきたオザンファンの作品が隣り合い、その別離を予感させて胸がちくりと痛んだ。でも、そんな瞬間も光は優しく降り注ぐ。なんて美しい空間だろう。

 (フリーアナウンサー・宇垣美里)

 ◇ 

 1991年、兵庫県生まれ。元TBSアナウンサーで、現在はオスカープロモーションに移籍し、活躍している。

▼「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ−ピュリスムの時代」展は19日まで、東京・上野公園の国立西洋美術館で開催。13日は休館。観覧料など問い合わせはハローダイヤル=(電)03(5777)8600。

 

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