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モネ それからの100年

<出展作家の視点>(4)「SUIREN」 生の瞬間捉える一筆の重なり

写真

 力を込め、確かに在った奥行きを重ね絵の具を練る。心奪われたジヴェルニーの庭、纏(まと)いたいとさえ思うそこに生き在った花や葉、匂いに包まれ、出したままの絵の具か、薄い絵の具か、厚い絵の具か、カンヴァスで生きられるようぐっと息を潜め耳を澄まし絵の具を練り込む。平らな赤。肉厚な緑。映るような青。潜むようなマットで艶のない黒。輝き放つオイルを含んだ光沢な黒。

 線を面を、色を質を与え育てるように絵の具をカンヴァスに置く。土を耕すように探り、大切に時に素早く厳しく押し引いて何度も挑み、それでもなくて在り方を求め全力で探す。一筆、一絵の具の重なりが、生きようとする瞬間をようやく捉えかすかに存在し始める。

 そこに在ることの不思議と、そこに在らせる不思議。生きる絵が描きたい。 (児玉麻緒=画家)

    ◇

 「モネ それからの100年」展(東京新聞など主催)は9月24日まで、横浜美術館(横浜市西区みなとみらい)で開催中。8月16日を除く木曜休館。観覧料など問い合わせはハローダイヤル=電03(5777)8600=へ。

 

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