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モネ それからの100年

(3)クロード・モネ「睡蓮」 深淵の闇に対峙する

1906年、油彩・キャンバス、吉野石膏株式会社蔵(山形美術館に寄託)

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 「モネ それからの100年」展に寄せた舞台「音楽と舞踊の小品集」(横浜みなとみらいホール)への出演を機に、本展を鑑賞した。多くの来館者があふれる会場の中で、展示されている作品には人間が描かれている絵画がとても少ないという第一印象が刻み込まれた。その分、絵画に向き合っている画家の眼差(まなざ)しを強烈に感じた。

(c)大河内禎

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 モネの描いた《睡蓮(すいれん)》には、風や光など形としては捉えられないものが立ち現れている。同時に水の奥の世界がその絵画の深淵(しんえん)に潜んでいる。その深淵の闇に対峙(たいじ)する作者の姿が心に迫ってくる。その姿に押し潰(つぶ)されるような圧を受け美術館から逃れ出た。

 しかし野外の光の中に歩みを進めると、その圧を押し戻すような勇気が内面に漲(みなぎ)ってくるのをはっきり感じた。この日に聴いた内面の琴線の響きを、いつか舞踊の中に解き放ちたい。 (中村恩恵=舞踊家)

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 「モネ それからの100年」展(東京新聞など主催)は、横浜美術館(横浜・みなとみらい)で24日まで開催中。開館時間は午前10時〜午後6時。ただし14日、15日、21日、22日は午後8時30分まで開館。いずれも入館は閉館の30分前まで。木曜休館。観覧料など問い合わせはハローダイヤル=電03(5777)8600=へ。

 

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