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モネ それからの100年

(4)小野耕石「波絵」 モネの揺らぎ

2017年、油性インク・アルミに貼った紙、作家蔵

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 モネ展初日。小野耕石さんの《波絵》。角度によって見え方が変わるのが面白くて、体を揺らして見ていたら、突然、晩年のモネの睡蓮(すいれん)が蛍光ピンクのスクリーン一面に浮かび上がり、静かに消えた。今のはなんだったんだろう。頭の中に霧がかかった。

柴本幸さん

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 翌月再訪。モネの《霧の中の太陽》の水面に揺らぐ赤い光を見て、ハッとした。視力を奪われても、彼が懸命に挑み続けたのは、対象物ではなく、「揺らぎ」を描くことだったのではないか、と。すっきりと霧が晴れ、展示全てが有機物に変わった。一連の睡蓮の光の戯れに身を預け、自分が揺らぎの一部になる贅沢(ぜいたく)を知った。

 もう一度《波絵》の前に立った。金色の光の輪が浮かび、また消えた。揺らぎとは生き物であると思った。 (柴本幸=女優)

 ◇ 

 「モネ それからの100年」展(東京新聞など主催)は、横浜美術館(横浜・みなとみらい)で24日まで開催中。開館時間は午前10時〜午後6時。ただし14日、15日、21日、22日は午後8時30分まで開館。いずれも入館は閉館の30分前まで。木曜休館。観覧料など問い合わせはハローダイヤル=電03(5777)8600=へ。

 

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