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<都のいだてん>(下)「半歩先」へ 着実に前進 一色恭志(24)GMO

2時間8分台でMGC出場権獲得を狙う一色恭志=GMOアスリーツ提供

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 「東京オリンピックで活躍」。2年前、青学大のエースとして箱根駅伝のアンケートに記した将来の目標。「活躍」とは当然メダルを意味する。「いま考えたら何も分かっていない。期待されていたし、(性格が)とがっていた。2時間7分とか簡単に出ると考えていた」。一色は苦笑いを浮かべながら振り返った。

 青学大時代はまさに「いだてん」だった。箱根駅伝は2年から3年連続でエース区間の2区を任され、日本選手で初の3年連続67分台を記録。3連覇に大きく貢献した。

 「箱根の距離(2区23・1キロ)なら特別なことをしなくても走れた。でも、マラソンは最初から全力で走って、走りきれる競技ではない。レースの最中だけでなく、日々、自分との戦いだと思う」

 そう痛感したのは大学卒業を直前に控えた2017年のびわ湖毎日。2度目のマラソンは30キロ付近で途中棄権。意識を失い、病院へ搬送された。「付け焼き刃で1カ月前から少し練習量を増やしたくらい。あれは自分への戒め、あの悔しさがあるから今がある」。そう言って、じっと前を見つめた。

 社会人になってからは、青学大の原晋監督の言葉を借りるなら「半歩先の目標」を一つ一つクリアしている状態。「毎日コツコツ。日々、今日も1日頑張ったなと充実感で終えられるか。夜10時に寝て、走ってという生活。半歩、また半歩。その積み重ね。それで自信がついていく」

 昨年の東京は2時間9分43秒ながら、日本勢8位。まだ、東京五輪マラソン代表選考会「グランドチャンピオンシップ」(MGC)の出場権を得ていない。「去年の東京はいいイメージがある。今回は2時間8分台でMGCをとる。それが現実的かな」

 心残りがあるとすれば、昨年は30キロ付近で集団のペースが上がったとき、「ここで行ったら35キロ以降どうなるか」と自重してしまったこと。「今回は30キロから恐れずに行く」。それが半歩先の目標。

 くしくも、30キロ付近から箱根駅伝と似たコースになる。「親しみやすく、いいイメージがある。最後は箱根のアンカーのつもりで走りたい」。今は大きな夢を語ることはない。だが、日々、着実に半歩ずつ進んでいけば、2年前につづった目標へ近づいていくだろう。

  (森合正範)

<いっしき・ただし> GMO所属。愛知・豊川高から青学大へ。箱根駅伝では1年1区、2年から3年連続で2区。2015年ユニバーシアードのハーフマラソンで銀メダル。16年東京で初マラソン。169センチ、55キロ。24歳。京都府出身。

 

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