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34歳・今井「一歩前進」

 目の前のもやを振り払うように猛然と追い上げた。40キロすぎ。今井は並走していた藤川を突き放して日本勢2位に浮上した。堀尾と9秒差でゴールして念願のMGC出場権を獲得。「一歩前進できた。また前を見るきっかけになった」。34歳のベテランは白い歯を見せた。

 25キロすぎから足が動かしづらくなった。35キロ地点では日本勢の5番手。すぐ前を走る藤川らとの差も13秒まで広がっていた。「今までは、離されてから弱い自分に勝てないことが多々あった。ここで諦めてたまるか」。もう負けない。前へ、前へ。沿道からは家族の声。折れそうな自分を懸命に鼓舞した。

 「山の神」として箱根駅伝を沸かせたのは10年以上前。2015年の東京マラソンで2時間7分39秒をマークし、世界選手権代表を射止めたが、髄膜炎で欠場を余儀なくされた。練習で追い込んでも結果が出ない時期が続いた。

 うつむくばかりの日々だった昨年4月から、半年ほど休養期間を設けた。家族と過ごす時間を優先し、練習量は抑えた。「メリハリのある練習で、集中できた」。秋に本格的な練習を再開してからも手応えを感じ、雨の東京での粘りにつなげた。「高校で陸上を始めたときから、五輪のマラソンで世界と戦うのが目標」。新たな扉を開いた声に、力がこもった。 (兼村優希)

 

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