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【イベント情報】

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悪天候に体が悲鳴 48歳本紙記者 完走ルポ

完走し、笑顔を見せる古田哲也記者。だが、この後救護室に運ばれた=東京都千代田区で

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 「ラストだよ、頑張って!」。ゴール手前、丸の内のビル街を走りながら、聞こえてくる声。数時間前まで思い描いていたのは、この声に笑顔で応える自分の姿だ。だがそんな理想は、雨と寒さの前に完膚なきまでに打ち砕かれた。

 歯がガクガクと音を立てるほど体が震え、両太ももがけいれんして歩くのがやっと。追い抜いていくランナーの背中が晴れやかに見えた。情けない。最後の一キロがこんなに長いとは。

 四カ月余前の出身地・金沢での初マラソンは、右膝を痛め、タイムは六時間余と散々。失敗は繰り返すまいと、筋力、走り方、足型を専門的に計測してもらい、フォームを矯正し、体に合ったシューズも選んだ。自宅近くのジムや整体にも通った。準備万端のはずだった。

 当日は朝から雨。予報では、雨は昼すぎからだったのに…。それでも雨がっぱを着てスタート後は、悪天候を気にせず走れた。日本橋(二十八キロすぎ)の街並みを見上げて「いま東京マラソン、走ってるんだ」という実感も湧いた。だが銀座に入った途端、右膝に違和感が。それでも早歩きを続けたが、走れなくなったことで体が冷え、品川辺り(三十六キロ)で今度は太ももが限界を超えた。

 フルマラソンは甘くなかった。五時間三分四十七秒でなんとかゴール。力を振り絞り、カメラに向かって笑顔でガッツポーズしたが、そこで緊張の糸が切れた。すぐに歩くこともできなくなり、車いすで救護室へ。途中棄権した大迫傑選手と並べるのは失礼だが、低体温症になったようだ。おかげでボランティアスタッフの重要性を肌身で感じた。冷たい雨の中、大会を陰で支えた貢献にお礼を言いたい。どうもありがとうございました。 (古田哲也)

 

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