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「残念。仕方ない」「来年目指し頑張る」 東京マラソン参加者3万8000人、複雑

東京駅を背に、続々とゴールするランナー=昨年3月、東京都千代田区で

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 「出たかったが仕方ない」。新型肺炎の拡大により東京マラソンの一般参加者出場が取りやめになったことで、ランナーたちは複雑な表情を浮かべた。首都圏では他のイベントも中止が相次ぎ、今夏の東京五輪・パラリンピックへの影響も懸念されている。 

 「練習を積んできたので残念。でも、全国から三万八千人のランナーが集まり、帰っていくことを考えると致し方ない」

 大会を通じて東日本大震災と原発事故からの復興支援を呼び掛けようとした、福島県会津若松市の佐藤功武(よしたけ)さん(64)はそう理解を示す。三月二十六日にスポーツ施設「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町・広野町)からスタートする東京五輪聖火リレー走者に選ばれており、「距離は二百メートルだが、被災地や、東京マラソンに出場できなかった人たちの思いも背負って走りたい」と気持ちを切り替えていた。

 開発援助や人道支援を行う非政府組織(NGO)「ワールド・ビジョン・ジャパン」(東京)の職員李義真(いういじん)さん(27)は「しょうがないが、気持ちの整理がつかない」と戸惑う。今大会のチャリティー団体の一つ。寄付金で自分の担当するアフリカの子どもたちに水が届けられることから「自分も思いを乗せて走りたかった」と残念がった。

 「東京マラソンはずっとあこがれていた。十六歳になって出られるようになったのに」と話すのは、車いすの部に初出場する予定だった高校一年の増田汐里さん(16)=東京都江東区。中学一年の時に「レーサー」と呼ばれる車いすに出会い、練習を積んできた。「もっと力をつけて来年必ずエントリーし、カッコいい姿で走れるように頑張りたい」と前を向いた。

 俊足の守り神「韋駄天(いだてん)」をまつり、ランナーのため毎年祈願している東京・人形町の大観音寺(おおがんのんじ)の関口真流(しんりゅう)住職(61)は「健康のために走っているのに、感染が広がっては本末転倒。もう一年練習して、よりよいタイムを出せるよう頑張ってほしい」と話す。

 小池百合子都知事は十七日、都庁で「感染の拡大が現実にあり、それらを考えての結論」と説明。ランナーの参加料は返金されず、次回大会の参加料もあらためて求めることに「(主催の)東京マラソン財団が規約に基づいてそのような整理をしているが、都として何ができるか確認したい」と述べた。 (土門哲雄、山下葉月、木原育子、梅野光春、小倉貞俊)

 

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