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【とちぎ こころの健康便】

季節の移ろい、精神に影響? 「社会的ステージ」も変化

 今年の夏は全国的に記録的な暑さとなりました。残暑も厳しかったですが、九月後半に入り、県内ではすっかり秋めいてきた感があります。季節の変わり目と言えば、昔から「体調を崩しやすい」と言われることが多いです。季節の変化は、人の精神面にどのような影響を与えるでしょうか。季節が移ろう時期に、体だけでなく心の健康を保つために、心掛けたら良いことはあるでしょうか。水島先生に聞きました。

 心の健康のことを考えると、季節そのものの変化というよりも、「季節の変化によって社会的なステージが進む」ということが重要だと思います。

 もちろん、低気圧の時には体調が悪くなり、落ちこみがちになる、などという人もいますが、今回は「社会的なステージ」について特に考えてみましょう。

 例えば、調子を崩す人が多いのは、四月です。これは、いろいろな人が新たなステージに入り、活躍している姿を見ることが多くなるからです。もちろん自分自身のステージも変わりますから、それに対する適応も必要なのですが、案外精神面に影響を与えるのは「他の人はキビキビと活躍している。それに引き換え自分は…」というような思考だったりするのです。

 秋〜冬にかけては、もの寂しい季節になり、それが精神的に影響を与えることもあります。「今年もまた暮れていく。自分は何も成し遂げなかった」というように。

 また、「社会的ステージ」と言えば、無視できないのが、年末年始です。皆はクリスマスやお正月を親しい人と楽しんでいる。でも自分には親しい人などいない、というパターンもあります。あるいは、形としては楽しみの場があるとしても、そこで自分の人間関係の苦手に苦しむ人もいます。

 これらのほとんどが、実は「他人との比較」によるものだと言ってよいでしょう。特に最近は、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)等の影響で、他人と自分を比べて自虐的になっている人を多く見かけます。

 心がけていただきたいのは、「自分にも、自分の人生がある」という自覚です。他人との比較よりも、例えば「変化を乗り越えなければ」等と注目すれば、無理のないように、自分を大切にできるのではないでしょうか。(精神科医・水島広子)

 

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