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【とちぎ こころの健康便】

機転が利く人になるには 「困ってる?」聞けば十分

 ビジネスなどのさまざまな場面で「機転が利く人」に出会います。職場で何も言わずに書類を探している同僚に「これ探してる?」と差し出してあげたり、飲食店で食後に薬を服用しようとしている客にさっと水を出したり。周囲に目を配り、とっさの判断で臨機応変に行動できるところに感心してしまいますね。機転が利く人と利かない人、何が違いを生むのでしょうか。日ごろの心掛けで、機敏に心を働かせることができるようになるでしょうか。水島先生に聞きました。

 「機転が利く人」「利かない人」には、先天的な要素や、成育環境など、いろいろな因子が絡んでいて、誰もが心がけ次第で「機転が利く人」になることはできないと言えます。

 機転を利かせたつもりが、「踏み込み過ぎ」になったり、「見当違いのおせっかい」になったりして、かえって問題になることもあります。

 それでももちろん、私たちはできるだけスムーズに人の役に立ちたいもの。どうしたらよいでしょうか。

 「機転が利く」というのは、状況を自分で判断して、適切な介入をするということ。でも、「状況判断」や「適切な介入」がスマートにできない人は、そこをカバーしていけばよいのだと思います。

 職場で同僚が何か探し物をしている様子であれば(探している、とわからなくても何か困っている様子であれば)「何か手伝える?」と聞くだけでも全く違います。

 あるいは、薬を服用しようとしている人は、ちょっと困った様子になっているでしょうから、「お客さま、何かお役に立てますか?」とか「お客さま、他には何かよろしいですか?」などと聞いてみるのもよいと思います。

 「機転が利く」の極致は、それこそ「超能力がある」くらいの話。相手が何を求めているのか、コミュニケーションせずに察するのは、人間の限界を超えるとも言えます。実際、「機転が利く人」と思われている人であっても、とんでもない勘違いをしたりするものです。

 日頃の心がけとしては、もちろん相手をよく見ること。快適に過ごしているかどうかに気を配ることは重要ですね。そして、少しでも困っている様子が見えて、何に困っているかがわからなければ、失礼のない聞き方で聞いてみる。それで十分なのだと思います。(精神科医・水島広子)

 

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