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【とちぎ こころの健康便】

悪口の多い人にウンザリ 不快な体験談として聞く

 周囲に他人の悪口や愚痴ばかり言っている人はいませんか。その場にいない共通の友人や、自分が尊敬している人の悪口を聞くのは、気分が悪いですよね。何となく相づちを打って聞いていると、こちらまで「マイナス思考」に陥りそうになります。関係を完全に断ち切れればウンザリすることもなくなるでしょうが、職場やご近所の関係なら、そう簡単にはいきません。波風を立てずにうまく付き合っていくには、どうしたら良いでしょうか。水島先生に聞きました。

 人の悪口、特に自分と親しい人や自分が尊敬する人の悪口を聞かされたり、同意を求められたりするのはきついですよね。

 だからと言って「陰口はよくない」などと正論を言うと、今度は自分が悪口の対象になってしまいかねません。

 こういう場合は、人の悪口を言う相手は、何らかの形で不愉快な思いをしたり(攻撃されたと思うと人は反撃します。直接相手にできなければ、周りの人を味方につけようとします)、脅威を感じたりしたのだな(人は脅威を感じると、それを排除するために攻撃的な態度をとったり、それ以外の人を仲間に引き入れようとするものですから)、ということを意味します。

 その点だけに共感するのが、賢いと思います。

 「相手は、自分が困ったり脅威を感じたりしたからこういうことを言っているのだな」と頭の中で自動翻訳してしまうのです。その時点で、話は、悪口の対象である〇さんとは関係ないものになりますね。

 「へえー、大変だったんですね」「そういうときってつらいですね」と、「相手」とは切り離した、話し手(愚痴を言っている人)の不快な体験談として聞けば、自分は〇さんに嫌な評価を下す必要もなくなります。

 人それぞれ、毎日の生活の中で、自分よりも「できた人間」に嫉妬したり、自分の立場を奪いそうな人に脅威を感じたりするものです。そういう気持ちは「人間だから仕方ない」と流して、「大変だね〜」という調子で聞いてあげれば、相手も安心を感じて、「人の悪口を言い続けなければ自分は生き残れない」という信念を捨てることができるのではないでしょうか。そういう味方にはなれると思います。(精神科医・水島広子)

 

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