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【とちぎ こころの健康便】

「スマホ依存」、その心理 小さな世界に逃げないで

 スマートフォンが急速に普及するとともに「スマホ依存症」が指摘されるようになりました。あまりに長く使ったり、あらゆることをその機能に頼ったりして、手元にないと不安が募る状態です。正しく使えば便利な道具でしょうが、使う側が束縛され、依存に至ってしまう心理とはどういうものでしょうか。依存の影響として、実世界でのコミュニケーション能力の低下を心配する声も上がっていますが、実際のところはどうでしょうか。水島先生に聞きました。

 スマホには確かに便利な機能がたくさんありますから、頼りたくなるのもわかりますし、私も、道に迷った時などはスマホの地図を見ながら目的地に達することもあります。

 ただし、依存性があるのも事実だと思います。その依存性はどこからくるかというと、「実生活の嫌なことやつまらなさから逃れたい」という気持ちや、「一人でいることが変だと思われないように、スマホで忙しくしていたい」という気持ちからくることも多いのではないでしょうか。

 人間はテクノロジーの奴隷ではなく、テクノロジーをうまく使っていくべき立場です。ですから、「〇〇アプリを使わないと電車に乗り遅れる」とか、「××アプリを使わないと道に迷う」というようなときには、どんどんテクノロジーを活用してよいと思います。

 同時に、「逃げる」ためのスマホ利用は、依存症みたいになってしまいます。「ヒマな人=重要でない人」のような思い込みがあれば、ますますスマホで「忙しく」していたいでしょう。

 しかし、しょせんは手のひらにのる程度の小さなものです。世界はずっと広く、いろいろな刺激に満ちています。たまにはスマホから手を放して、例えば公園で自然に触れるとか、本格的な映画を見るとか、会員制交流サイト(SNS)上のものではないリアルな人間関係を楽しんだりしてみませんか?

 リアルな人間関係では、完璧な(リア充の)存在でいる必要もないし、人と話しているうちに、みんな悩みながら努力しているんだなあ、といとおしさを感じることも多々あるものです。

 スマホの「主人」にはなっても、スマホの奴隷にならない。自分にとって最も人間らしく、かつ便利な生活を考えたいものですね。(精神科医・水島広子)

 

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