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【とちぎ こころの健康便】

新環境に無理なく慣れるには 「八方美人」悪くない

 四月から新生活を迎えている人は多いでしょう。異なる環境で学業や仕事に打ち込めるのは大きな喜びですが、人間関係に不安を抱いている人も少なくないようです。「嫌われたら困る」と焦って外づらだけ取り繕うものの、そんな八方美人の自分を嫌悪したり、本心で接することができないと思い悩んだり。対人関係にあまりに気疲れして、本分である学業や仕事に良くない影響が出るようでは大変です。知らない人ばかりの環境に、どうしたら無理なく慣れていけるでしょうか。水島先生に聞きました。

 変化はどんなものでも人間にとってストレスになりますが、中でも難しいのは新しい人間関係への適応かもしれません。嫌われてしまったらそれからの生活が台無しになる、という思いから、いろいろな気苦労をしたり、不自然な言動をとったりすることもあるでしょう。

 まず、新しい人間関係に慣れるのは、どんな人にとっても緊張を伴うということを頭に入れておきましょう。ごく自然に振る舞っている人でも、やはり「変化への適応」という課題はあるのです。

 また、新しい環境では相手がどんな人だかわからないわけですから、難しいのは当然ですね。

 お勧めは、「よく知らない人だから一定の距離を置く」です。礼儀は大切ですから、無礼にはならないように。でも、嫌われるのが怖くてよく知らない人と不自然に親しくなってしまうと、あとで身動きがとれなくなってしまうこともあります。例えばその人が問題人物で、一緒にいる自分まで変な目で見られる、ということも起こり得るのです。

 知り合う中で、「この人はちゃんとした大人だ」「この人と話していると安心できる」と思えるような人がわかってきたら、親しさを増せばよいでしょう。それまでは、無礼でなく、一定の距離を置き、相手がどんな人なのかを見ていく時期だと考えてください。

 「外づらだけ取り繕う八方美人」と自分を考えてしまうと自己嫌悪に陥ってしまうでしょうが、「どんな人にもそれなりに礼儀正しく、適切な距離をわきまえて関われるのが大人」と考えれば、付き合い方のイメージがわかるのではないでしょうか。

 そういう人であれば意味もなく嫌われるということは、まずないと思います。(精神科医・水島広子)

 

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