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【鉄学しましょ】

一日千秋、待った歌詞 土屋武之さん

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 大正の末から昭和20年代にかけて、「新民謡」と呼ばれるジャンルが一時流行した。ご当地ソングの先駆けのような民謡調の歌で、地元のPRを主な制作目的としていたが、戦後はすたれた。誰もが知る有名な作品は「東京音頭」と「ちゃっきり節」ぐらいしか残っていない。

 私鉄が沿線に行楽施設を直営で設け、乗客獲得と収益拡大を図るという経営手法は、阪急電鉄の前身の箕面有馬(みのおありま)電気軌道が始めたとされる。これはローカル私鉄にも広まり、静岡鉄道も1927年に狐ヶ崎遊園地を、現在の狐ヶ崎駅=写真=の近くに開設した。「ちゃっきり節」は、歌詞に具体的な名称こそ入っていないが、この遊園地のCMソングとして作られた曲だ。

 作詞は詩人の北原白秋。静岡に招かれたものの、なかなか詩が思い浮かばなかったのか、芸者遊びばかりして鉄道会社をやきもきさせたという逸話が語り継がれている。

 それゆえ「ちゃっきり節」のお披露目は、同年に狐ヶ崎遊園地で行われた。32年にはレコードがヒットし、全国に広まっている。ただ遊園地自体は狐ヶ崎ヤングランドに改称後、93年に閉園した。狐ヶ崎駅も今は通勤、通学客の姿が目立つ住宅地の駅だ。

 

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