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【タイムライン】

見えてきた森保サッカー ユニット、縦と横、対応力

10月のウルグアイ戦で、中島翔哉に指示を出す日本代表・森保一監督=埼玉スタジアムで

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 16強入りしたワールドカップ(W杯)ロシア大会後に就任した森保一監督(50)のもと、日本代表は9月から11月までの国際親善試合ホーム5戦を4勝1分けで終えた。連係、縦横への緩急、どんな状況にも対応できる力−。森保監督が目指すスタイルが見えてきた。 (上條憲也)

◆欧州仕込みの前線連係

 新体制で招集された選手は代表初選出9人を含む35人。けがで合宿を辞退した3人を除く32人中、30人が5試合のうち1試合以上のピッチに立った。選手層の底上げを期して多くの選手が起用された形だが、最も出場数が多かったのが、南野(ザルツブルク)と堂安(フローニンゲン)で全5試合。次いで中島(ポルティモネンセ)、大迫(ブレーメン)ら5人が4試合。

 とくに南野、堂安、中島、大迫は欧州仕込みの体の使い方と積極姿勢で結果を出すだけでなく、「ユニット」(グループ)としての連係を深める。5戦目のキルギス戦。いずれも途中出場した後半の28分に中島が決めたチーム4点目は、4人によるワンタッチ、ツータッチのパスワークから。

 5試合中最も世界ランクの高いウルグアイに打ち勝った3戦目も、先発した4人の存在感が光った。相手の名将、タバレス監督(71)は「日本は前線の連係が非常に良い」。南野は5戦を終え「自分たちがボールを握る時間が増えれば、連係はもっと出していける」と手応えをつかむ。

 その活躍を後方が支える。ウルグアイ戦。攻め上がった左サイドバックの長友(ガラタサライ)が、シュートを狙う中島と数的有利をつくり、相手のマークをひきつける場面があった。初陣のコスタリカ戦では、最終ラインの槙野(浦和)が、前線の攻撃力を生かそうと佐々木(広島)と室屋(FC東京)の両サイドバックに「負担かもしれないができるだけ(前線の)サポートを」と呼び掛けた。

11月のベネズエラ戦で、シュートを放つ堂安(左から2人目)。同3人目は南野=大銀ドームで

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◆緩急、粘り強く

 キルギス戦の後半27分、大迫のチーム3点目は2本の縦パスからだった。柴崎(ヘタフェ)が左から入る山中(横浜M)を縦パスで狙う。クリアされたこぼれ球を守田(川崎)がすかさず縦へ。北川(清水)から大迫に渡った。

 新体制でも意識付けされた一つが縦パス。初合宿からセンターバックの冨安(シントトロイデン)は「監督も求めている縦パスをどれだけ僕らから出せるかが重要。一番奥(FW)にパスを入れるのがベスト」と、最終ラインからも前線へ積極的に打ち込む。

 受ける側も意識を高める。キルギス戦で中島の得点の起点になったのは、右サイドで堂安が奪ったボールを拾った大迫の速いパスから。受けた南野は「良い形でサコ君から縦に近い斜めのボールが来た。自分も(パスに合わせた)動きを意識していた」。

 一方で、「縦に速く」と「緩急」のうちの「急」に固執したハリルホジッチ元監督より柔軟なのは、左右にじっくりと揺さぶる「緩」もあること。4戦目のベネズエラ戦はとくにテーマに掲げ、守備的MFを中心に両サイドに展開して好機を狙った。続くキルギス戦も中盤の底で先発した三竿健(鹿島)が左右にボールを振り「相手の守備をずらす」。

 ただキルギスも中央を固めながらパス奪取を狙う。三竿健はプレーが中断した時間を使い、森保監督に「縦を狙われてなかなか出せないので横に振っている」と相談した。「このまま続けよう」と粘り強く狙う指示があった。

◆4バック、変化

 「速攻もできれば遅攻もできる。高い位置でプレスをかけることもできれば、守備を固めて相手に攻撃させない。いろいろな対応力を持って戦いたい」。7月の就任時に森保監督が明かした方向性だ。

 5試合の基本布陣は最終ラインに4人を並べる4バック。だが局面で変化も見せる。2戦目のパナマ戦。守備時は4バックも、両サイドバックが高い位置を取る攻撃時は守備的MFの青山(広島)が下がって3バックに。相手攻撃陣のプレスをかわしながらバランスをとって展開した。

 かつて指揮を執った広島や兼務する東京五輪男子代表監督として率いる21歳以下の代表では3バックがベース。日本代表では「状況に応じて選手が自然と3バックをやってくれている」と対応力への期待は大きい。

 新体制での初戦となるはずだった9月のチリ戦は試合前日に北海道を襲った地震で中止に。それでも「想定外のことも受け入れ、最善を尽くそう」と求めてきた。来年1月には就任後初の公式大会のアジア・カップに挑む。何が起きるか分からないアジアの戦いも対応力で乗り切りたい。

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