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【東京レター】

本を通じ立場超えて 韓国・全羅南道の恩師へ=金承福(キムスンボク)さん(50)

韓国の本と伝統茶を紹介するブックカフェ「チェッコリ」を営む金承福さん=千代田区で

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 一九九一年に来日し、日本大学芸術学部を卒業、小さな出版社を起業し、韓国の本を日本に紹介してきました。二〇一五年七月からは東京の神田神保町で、小説や詩からエッセー、児童書まで多彩な韓国の本四千冊を並べ、韓国伝統茶などを出すブックカフェ「チェッコリ」を営んでいます。

 原点は故郷の韓国南西部の全羅南道にあります。軍事政権が続いていた一九八〇年五月、民主化運動を展開した市民らが弾圧され、多数の犠牲者が出た「光州事件」が起きた地方です。

 事件から数年後、中学校に入学し、若手国語教師だったアン・ジョンエ先生に出会ったことが、私には特に大きかった。先生から大学時代に参加したデモの話を聞いたり、関連の出版物を貸してもらったりして、民主主義や言論の自由を考えました。

 インターネットや電子書籍も普及してきたけれど、私は紙の本を守りたい。多くの人に手に取ってもらおうと、装丁のデザインなどにもこだわり続けたい。ブックカフェでは各界の専門家らを招いた講演会も年間百二十回ペースで開催。本を通じて日本人も韓国人も立場を超えてつながり、精神的に豊かになってもらえればと願っています。 (聞き手・相坂穣)

 

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