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【2020東京五輪】

チケット販売つまずき アクセス集中 混乱回避へ課題

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 二〇二〇年東京五輪チケットの抽選申し込みが九日始まった。朝から公式販売サイトにはアクセスが集中し、接続困難な状態に。五輪への高い関心を裏付ける一方で、過去の大会でも繰り返されてきたチケットを巡る混乱を回避して、スムーズな販売につなげるには課題の残るスタートとなった。

▼あふれる不満

 午前十時の受け付け開始から間もなく、サイトは動作が重くなった。「ウェイティングルーム(待合室)」と呼ばれる画面には時間帯によって数万〜数十万人が順番待ちの表示。一時間以上待たされた上でチケットを選ぶページまで進んでもたびたび画面が固まった。大会組織委員会の担当幹部は「過去の大規模スポーツイベントと比較しても大容量のサーバーを用意した」と説明していたが、対応し切れなかったとみられる。

 組織委の問い合わせ専用電話も不通。インターネット上に「サイトにつながらない」「待ち時間が長過ぎる」などと不満や困惑の声があふれた。

 抽選は二十八日の申し込み締め切り後に行われる。組織委は再三、初日に慌てて申し込む必要はないと呼び掛けていたが、出足は想像以上。組織委の担当者は「日を改めて申し込んでほしい」と繰り返した。

▼成功を左右

 予算計画ではパラリンピックと合わせた大会経費の組織委負担分六千億円のうち、チケット販売で八百二十億円を賄う。国際オリンピック委員会(IOC)の負担金と並ぶ収入の重要な柱で、チケットの順調な販売は大会の成功を左右する。

 組織委はできるだけ多くの人が買いやすくなるよう、開会式の最高三十万円からグループチケットの二千二十円まで幅広い価格帯を設定。飲食サービスなどを組み合わせた高付加価値のチケットや、航空券やホテルなどがセットのチケットなど、多様なニーズを取り込み、収入増を目指す。

 買い占めや価格高騰につながりかねない不正転売を防ぐため、ネットオークションなどの運営大手にチケットを取り扱わないよう要請するなど、転売業者の徹底した排除を図った。

▼ジレンマ

 組織委は全試合の「フルスタジアム(満席)」を目指す。開幕一年以上も前で出場選手や対戦カードも決まっていない段階でのアクセス殺到は歓迎すべき動きだが、混乱が続くと大会のイメージダウンになりかねないジレンマも抱える。

 今後も週末や締め切り間際に申し込みが殺到するのは確実。サイバー攻撃などによるシステム障害の不安も残る。チケット販売後も、スポンサー企業や競技団体向けの大量のチケットが実際の来場につながらない「空席問題」や不正転売の監視、公式リセール(再販売)サービスの円滑な運営などチケットを巡る課題は山積する。組織委にとっては気の休まらない日が続く。

 

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