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【2020東京五輪】

<東京パラリンピックへの道>(19)防げ不祥事 コンプライアンスを漫画、ラジオで

コンプライアンス漫画の原案を作成した金子知史さん(左)と前田有香さん=港区で

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 アスリートやスポーツ関係者にコンプライアンス(法令や社会規範の順守)が求められている。財団法人日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ、東京都港区)は、コンプライアンスの重要性を訴える漫画やラジオドラマを作成、パラスポーツ関係者に呼びかけている。健常者のスポーツ関係者の関心も高く、漫画は引っ張りだこだ。

 リオデジャネイロ・パラリンピック(二〇一六年九月)の開催前、車いすのアスリートが不祥事で逮捕される事件があった。スポーツ庁は競技団体などに「所属選手へのコンプライアンスの指導を」と求めるが、パラスポーツ競技団体には家族経営的な小規模な団体もあり、コンプライアンス指導が十分に行き渡らないのも実情。そこで「パラアスリートの意識向上を」とパラサポが同年八月、冊子「マンガで学ぶスポーツコンプライアンス」を作成、関係者に配布した。

 漫画を見ることができない視覚障害者には音声化を図ることになり、このほどラジオドラマが完成し、ネットを通じて公開した。制作にはラジオドラマのノウハウがある東京放送(TBS)なども協力し、よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のタレントらが出演。漫画と同様、十二のテーマで一作品約二〜四分で紹介。よりリアリティーを出すため、パラアスリートの練習場「日本財団パラアリーナ」(品川区)で車いすのタイヤが床をこする音やぶつかる音を収録、効果音として使用した。

 漫画の原案はパラサポ戦略推進部の金子知史(ともふみ)さん(33)と前田有香さん(32)が作成。漫画家の三輪亮介さん(36)が作画を担当し、スポーツの関連法に詳しい大橋卓生(たくお)弁護士(50)=第一東京弁護士会=が監修した。

 当初はパラスポーツ界を対象に配布した冊子は、実業団チームや野球などスポーツに力を入れる高校からも希望が殺到、これまでに約一万部配布した。

 三輪さんは「マンガは情報過多の時代にマッチしたメディア」と指摘、「コンプライアンスという堅いイメージをマンガを通して、いかにリアリティーを保ったまま届けることができるか、腐心した」と語り、大橋弁護士は「スポーツ界の関係者は『ルールを守る人』と、一般の人に比べてクリーンに見られ、倫理性も求められる」とし、「コンプライアンス違反でどんな結果を招くか、分かるように努めた」と話している。

 昨年はスポーツ界でコンプライアンス違反を問われる問題が相次いだが、パラサポは先だってこの問題を取り上げた。前田さんは「二〇二〇年東京五輪・パラリンピックが近づいて『応援したい』という人が増えた。『つい、うっかり』でもコンプライアンス違反を起こすと、せっかく盛り上がった機運を盛り下げかねない。ドラマや漫画が少しでも役立てば」と話している。

 ドラマはパラサポのホームページ(「パラサポ」で検索)で聴くことができる。漫画は無料で配布するが、郵送料は負担。問い合わせはパラサポ=電03(6229)3721。 (加藤行平)

パラサポのコンプライアンス漫画「マンガで学ぶスポーツコンプライアンス」の「パワハラ」編「熱血指導が行き過ぎると」から

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◆漫画とラジオのタイトルとテーマ 

(1)コーチそれセクハラです!

 セクシュアルハラスメント(セクハラ)

(2)熱血指導が行き過ぎると…

 パワーハラスメント(パワハラ)・暴力行為

(3)その薬、本当に大丈夫?

 アンチドーピング

(4)不正受給は詐欺です

 補助金・助成金の不正受給

(5)ちょっとした賭け事でも…

 賭博

(6)飲んだら乗らない!

 飲酒運転

(7)交通事故を起こしてしまったら…

 交通事故などの報告

(8)お酒は二十歳になってから

 未成年の飲酒・強要

(9)確認しよう著作権

 著作権の侵害

(10)その投稿、不謹慎だぞ!

 不適切な情報発信

(11)反社会的勢力にご注意

 反社会的勢力との関わり

(12)見られています、あなたのマナー

 マナー違反

 

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