東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 特集・連載 > 2020東京五輪 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【2020東京五輪】

五輪・パラリンピック強化新拠点 NTC拡充棟 高みへ共に励む

フェンシング場には車いすを固定する器具(手前)も備えられている=いずれも東京都北区で

写真

 来年の東京五輪・パラリンピックに向けて選手の強化を目指す日本に、新たな拠点が誕生した。五輪とパラ共用の強化拠点として、このほどナショナルトレーニングセンター(NTC)拡充棟が東京都北区に完成。開所式が行われる九月十日から名称はNTCイーストとなり、隣接する既存のNTCはNTCウエストと改称される。 (鈴木遍理)

 パラ選手がストレスなく施設を使用できるようバリアフリーを徹底させた拡充棟は、「オリパラの一体」を目指す運営主体の日本スポーツ振興センター(JSC)にとって悲願だった。JSCの勝田隆理事は「オリンピックで培ったノウハウをパラリンピックの選手に伝えることができる。お互いの練習や生活を見ることでも、さらに成長できる」と相乗効果を期待する。

 工事費百九十四億円をかけた地上六階、地下一階の拡充棟は、障害者スポーツの先進国である英国の施設をモデルに造られた。最大百四十三人が泊まれる八十二室の宿泊施設などは、扉をすべて引き戸にして段差をなくしている。

 車いすのまま体重測定ができる機器や、タイヤ用の空気入れなども備えており、疲労回復に効果がある炭酸泉などの入浴施設も浴槽との段差を極力なくすなど、随所に工夫が凝らされている。

車いすのタイヤ用空気入れ(右)や車いすのままで利用できる体重計

写真

炭酸泉の浴槽

写真

 球技で使う共用体育館は四つ設けられ、床に傷がつくことから体育館などの使用を断られることが多い車いすバスケットボールも、存分にプレーできる。

 その他の設備も競泳用プールは五輪と同じ水深三メートル、十コースの仕様。最大二十八面のコートが取れる卓球場は空調の吹き出し口を床に配置し、風による影響を減らすようにした。アーチェリー場は風速十メートルほどの横風を吹かせる装置が設けられ、悪条件を想定した練習が可能。フェンシング場は国内最大の三十ピストが設置され、判定のために選手の体と機器をつなぐケーブルを床下に通して足などを引っかけないようにした。

公開されたプール

写真

 日本は二〇一二年のロンドン五輪で前回の北京大会を十三個も上回る三十八個のメダルを獲得し、一六年リオデジャネイロ大会では四十一個として最多記録を更新した。躍進の背景には〇八年にNTCが開所して練習設備が整ったことが挙げられており、拡充棟の誕生で勢いに一層の拍車がかかりそうだ。

写真
 

この記事を印刷する

PR情報