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【2020東京五輪】

暑さ防ぐ舗装 逆効果 路面10度低下も気温は2度上昇

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 二〇二〇年東京五輪・パラリンピックの暑さ対策の目玉である道路の「遮熱性舗装」が、逆に熱中症のリスクを高めるとする研究論文が三十日発表される。太陽光の反射によるとみられる熱で人の顔の高さの気温や熱中症の指標となる暑さ指数(WBGT)が上昇するという。都は都道約百三十キロに整備済みだが、研究者は「今のまま突き進むのは危険」と中止を訴えている。

 論文は東京農業大の樫村修生教授(環境生理学)が、日本スポーツ健康科学学会で発表する。七月二十六日と八月八日の日中にさいたま市内で、遮熱性舗装と、隣接する通常のアスファルト舗装の道路上で気温などを計測、比較した。

 気温は両日とも、路面からの高さ五十センチ、百五十センチ、二百センチの三カ所の全計測点で、遮熱性舗装の方が高かった。百五十センチでの最高気温は四一度で、アスファルトより二・六度上回った。気温と湿度、日射量などから導くWBGTも一・三度高かった。

 樫村教授は「太陽光が路面で反射したのが原因」と分析している。路面温度は遮熱性舗装の方が一〇度前後低かったものの、顔の位置での赤外線は二十倍、紫外線は四倍も高く、「皮膚や目の病気につながる可能性がある」と指摘した。

 遮熱性舗装は、アスファルトの表面にモルタルを塗る工法。都は道路補修も含めて二〇一九年度までの五年間に約三百億円を投じ、マラソンコースなど都道百三十六キロに整備する計画を立てている。

 国土交通省の一五年の調査でも、遮熱性舗装のWBGTがアスファルトより平均〇・二一度高かったが、同省は「大きな差ではない」と整備を推進した。都建設局は「道路の蓄熱を緩和する効果はあるし、試走したランナーも走りやすいと言っている」と整備の見直しを否定した。 (原田遼)

 

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