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【2020東京五輪】

文田が五輪代表に 決勝進出、メダル確定 レスリング世界選手権・グレコ60キロ級

男子グレコローマン60キロ級準決勝イラン選手を破って決勝進出を決め、雄たけびを上げる文田健一郎=ヌルスルタンで(榎戸直紀撮影)

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 【ヌルスルタン(カザフスタン)=共同】東京五輪予選を兼ねた世界選手権第3日は16日、カザフスタンのヌルスルタンで男子グレコローマンスタイルの五輪実施階級が行われ、2017年大会王者で60キロ級の文田健一郎(ミキハウス)が17日の決勝に進出してメダルを確定させ、日本協会の選考基準を満たして今大会で日本勢第1号の五輪代表に決まった。

 文田は3回戦で16年リオデジャネイロ五輪銅メダルのエルムラト・タスムラドフ(ウズベキスタン)にテクニカルフォール勝ちし、4回戦で昨年2位のビクトル・キオバヌ(モルドバ)を破り、五輪出場枠を獲得。準決勝でアリレザ・ネジャチ(イラン)にテクニカルフォール勝ちした。

 男子はリオ五輪予選を兼ねた4年前の世界選手権でグレコ、フリーとも出場枠を一つも獲得できなかった。

 77キロ級の屋比久翔平(ALSOK)は初戦の2回戦でアルメニア選手、130キロ級の園田新(ALSOK)は1回戦でエジプト選手に敗れ、ともに敗者復活戦に回れなかった。97キロ級の奈良勇太(警視庁)は敗者復活戦でウズベキスタン選手に屈した。

◆光ったローリング技

 2年前、世界王者に輝いた瞬間と同じくらいの歓喜の雄たけびを上げた。五輪代表内定をつかんだ文田は「腐らずにやってきて良かった」と安堵(あんど)の涙を見せた。

 あえて代名詞を封印した。2017年、世界の頂点に上り詰めた武器は、相手の脇に片腕を差し、相撲の「四つ」の状態でバックドロップのごとく豪快に投げ捨てる「反り投げ」。その後は警戒され、腕を差されないよう脇を固める相手に手を焼いた。

 警戒を逆手に取ったのが今大会。3回戦、4回戦と、磨いてきたローリング技を勝負どころで繰り出した。準決勝は「直前の試合もビデオを撮られてすぐに対策される時代だから」と、前の2試合とは逆方向へのローリングで試合を決めた。

 「以前は刹那的に目の前の試合を全力で戦ってきたが、今は大会全体を通じて組み立てられる」と文田。そんな精神面の成長は、リオ五輪銀メダルの日体大の先輩、太田忍と厳しい国内争いを勝ち抜く中で育まれた。「あの人がいなかったら今の僕はいない」

 フリースタイルが主流の日本にあって、グレコの強豪、山梨・韮崎工高監督の父に、中学時代から手ほどきを受けた。23歳のグレコの申し子は、来夏のマットでも歓喜を爆発させる。 (多園尚樹)

<文田 健一郎(ふみた・けんいちろう=男子グレコローマンスタイル60キロ級)> 59キロ級で16年全日本選手権を初制覇し、17年のアジア選手権と世界選手権で金メダル。60キロ級で昨年の全日本選手権、今年6月の全日本選抜選手権で頂点に立ち、今回の世界選手権代表の座をつかんだ。山梨・韮崎工高−日体大出、ミキハウス。168センチ。23歳。山梨県出身。 (共同)

 

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