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【2020東京五輪】

佐藤金、伊藤銀 世界パラ陸上 車いす男子400メートル代表内定

 【ドバイ=共同】パラ陸上の世界選手権第3日は9日、アラブ首長国連邦(UAE)の当地で行われ、男子400メートル(車いすT52)は佐藤友祈(WORLD−AC)が59秒25で3連覇した。伊藤智也(バイエル薬品)が0秒81差で銀メダルを獲得。今大会日本勢初の表彰台で、4位の上与那原(うえよなばる)寛和(SMBC日興証券)までが東京パラリンピック代表に内定した。

 男子の決勝種目で、800メートル(車いすT54)の鈴木朋樹(トヨタ自動車)は8位だった。砲丸投げ(座位F53)の71歳、大井利江(北海道・東北パラ陸協)は6位で競技を終えたが、2度の記録訂正の末に5位となった。

◆王者のまくり 佐藤V3、日本勢初金

 世界記録保持者が圧倒的なスピードを見せた。男子400メートル(車いすT52)決勝で優勝候補の佐藤は「緊張で体が硬くなった」が、終盤にぐんぐん加速。最後の直線で先行する伊藤を一気に抜き去り、今大会日本勢初の金メダルを首にかけた。

 序盤からハイペースの伊藤に300メートル付近までリードを許し、「結構焦っていた」という。だが、後半の伸びが持ち味。「巻き返せる自信はあった」と、ためていた力を最後に解き放った。

 風が強く、55秒13の世界記録には及ばなかったが、2016年のリオデジャネイロ・パラリンピックで敗れたライバルのレイモンド・マーティン(米国)も抑えて優勝。「集中しゾーンに入ることができて、久しぶりにレースをして楽しい、気持ち良いと思った」と喜びをかみしめた。

 東京パラリンピックでは不動の金メダル候補だ。「内定がかかったレースで注目してもらい、より僕の中で燃えるものがあった。油断せずしっかり調整して勝ちきりたい」。まだ手にしたことのないパラリンピックの栄冠。次こそつかむ。 (ドバイ・神谷円香)

◆56歳復活 伊藤「最後は電池切れ」

男子400メートル(車いす)で2位になり、笑顔で日の丸を掲げる伊藤智也=共同

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 パラリンピック金メダリストで56歳の伊藤が2位に食い込んだ。2012年ロンドンパラリンピック後に一時競技を離れたが、復帰して最初の世界の大舞台で健在ぶりを見せつけた。

 逃げ切りのプランで臨み「初めから全開でいった」。ホームストレートに入るまで世界記録を持つ佐藤を抑え、先頭を守った。最後は「腕が壊れてきて、電池が切れた。佐藤選手は底力が違う」とたたえたが、もう一人の優勝候補マーティンに勝てると確信したときには「叫ぼうかなと思いましたわ」と豪快に笑って素直に喜んだ。

 強風の中、自己記録まで約2秒に迫る1分0秒06の好タイムを出した。「北京パラリンピックで金メダルをとったときの力を超えていると思う」と自負する。自身の体の動きを解析し、技術者と一から作り上げた最新鋭の競技用車いすが新たな武器だ。「あと10カ月、楽しみな月日が流れる」と、8年ぶりとなるパラリンピックの舞台を待ちわびる。 (神谷円香)

 

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