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【2020東京五輪】

森、日本勢初の女子個人「金」 男子・堺と五輪内定 トランポリン世界選手権

 東京五輪予選の世界選手権最終日は1日、五輪テスト大会を兼ねて東京・有明体操競技場で行われ、個人決勝で女子は森ひかる(金沢学院大ク)が55・860点をマークし、男女を通じて個人で日本勢初の金メダルを獲得した。

 男子は堺亮介(星稜ク)が59・785点で日本勢最上位の5位。ともに各国・地域最大1の東京五輪出場枠を獲得し、決勝の日本勢最上位を五輪代表とする日本体操協会の選考基準を満たした。2人は初の五輪に臨む。

 女子で土井畑知里(三菱電機)が55・225点で銀メダル。日本女子は非五輪種目の団体の金、シンクロナイズドの金と合わせ、計4個のメダルを手にした。

 男子で海野大透(静岡産大ク)が58・930点で6位。高磊(中国)が61・705点で同種目初の4連覇を達成した。

◆森、光った勝負強さ

女子個人決勝 優勝した森ひかるの演技=いずれも有明体操競技場で

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 演技を終えた森は「代表を逃しちゃったかな」。会心の出来に遠く及ばず、不安に包まれた。だが得点はライバルを上回る。直後の演技者が失敗し、日本勢初の金メダルも転がりこんだ。「びっくり、びっくりです」。破顔し両手を突き上げ、跳びはねた。

 光ったのは勝負強さ。演技冒頭の3回宙返り技で左右に体がぶれたが「落ち着いてやれば大丈夫」と念じて持ちこたえると、10本の技をやりきってみせた。出来栄えを示す演技点は、決勝進出者でトップタイだった。少しのミスでも演技が中断すれば、事実上の負けが決まる過酷な競技。今大会も女子準決勝で格上の中国の2選手が失敗した。地元開催の重圧ものしかかった日本女子の第一人者は、最後まで自分を表現しきった。

 中学卒業と同時に、生まれ育った東京を離れて金沢へ。慣れない環境に戸惑いながら、逃げずに練習に打ち込むうちに心が鍛えられた。「エースと呼んでもらえるよう、これからも勝ち続ける」。今では、そう言い切るだけの強いメンタルを持つ。東京五輪での期待も高まるが「正直、かなり厳しいと思う」と丸山女子強化本部長。55点台のスコアは、五輪の金メダルに届く数字とまだ距離がある。残り約半年で、さらなる飛躍が求められている。 (多園尚樹)

<もり・ひかる> 14歳で13年全日本選手権を史上最年少制覇。昨年のジャカルタ・アジア大会で銀メダル、世界選手権のシンクロナイズドで日本女子初の金メダル。金沢学院大ク。159センチ、51キロ。20歳。東京都出身。

◆ライバルから刺激 堺、難所をクリア

男子個人決勝 5位となった堺亮介の演技

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 「目立ちたがり屋。こういう舞台が好き」。大観衆を前にしても気後れしない精神力で、堺が五輪代表の座をつかみとった。演技直前、代表争いのライバルの海野が高得点。だが、ひるむことはない。逆に「海野の思いに応えよう」と気合が入った。10本の技のうち、難所だった3本目からの3連続3回宙返りを乗り切ったことで、勢いに乗った。

 高校2年の時、ユース五輪代表の座を逃す挫折を味わったことで、五輪出場が「夢から目標に変わった」。世界トップとの差は大きいが、演技構成の難度を上げられれば「確実にメダル争いに食い込んでいける」。その言葉を実現してみせる。 (多園尚樹)

<さかい・りょうすけ> 2歳でトランポリンを始め、昨年ジャカルタ・アジア大会で4位。11月の全日本選手権で初優勝。金沢星稜大、星稜ク。168センチ、62キロ。22歳。神奈川県出身。

 

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