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【2020東京五輪】

世界陸連「多周回」に固執 五輪マラソン

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 2020年東京五輪のマラソン、競歩の札幌開催計画を巡り、大会組織委員会とワールドアスレチックス(世界陸連)との協議の難航が鮮明になった。日程は合意にこぎつけたものの、マラソンコースは最初の20キロだけが決まり、残りは先送りという異例の事態に。国際オリンピック委員会(IOC)主導の強引な移転に異論がくすぶる中、具体的計画の策定の遅れで、さらなる批判を招きかねない状況だ。 =<26>面参照

 「残り(約22キロ)は7キロのコースを3周回ったらどうかというのが世界陸連の提案だ」。組織委の武藤敏郎事務総長は4日のIOC理事会の審議後、こう明らかにした。この日までに合意できたのは、毎年夏の北海道マラソンをベースにした20キロコースを1周すること。ほぼ同じコースをもう1周回るべきだとする組織委に対し、世界陸連はよりコンパクトに周回を重ねる案を主張し、折り合えなかった。

 唐突な開催地変更で残された時間が少ない中、組織委は、実績のあるコースをできるだけそのまま使うことで、準備作業を効率化したいという立場だ。より短い距離を周回するコースでは「北海道マラソンでは使ったことのない道路も使うことになる」(武藤氏)ため、沿道の住民に理解を得る作業などが必要。地元からは、今回決まったコースを「レガシー(遺産)」として五輪後にハーフマラソンで活用したいとの希望も寄せられた。

 一方、世界陸連は当初から約7キロを6周する案を主張するなど、コンパクトな設定に強くこだわっている。

 多周回コースは沿道を訪れる人が何度もレースを見ることができ、医療スタッフや給水所を効率化できるのがメリット。今秋のドーハの世界陸上選手権も6周で実施された。前半20キロは組織委案に譲歩したものの、IOC理事会でも世界陸連副会長のブブカ理事が「後半20キロは(7キロコースを)ぜひ実現したい」と発言するなど、固執している。

 今回、世界陸連と直接の交渉はIOCが行っている。ただ、関係者によると、IOCは組織委が期待するほど日本寄りではない。コースや日程は世界陸連の承認がなければ決められない仕組みで「IOCは札幌移転を強引に進めたこともあり、世界陸連にも気を使っている」という。事実上の板挟み状態にある。

 

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