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【群馬】

<志尾睦子のそふとフォーカス> (60)変わらず そこにいる

かつては駅前に看板もフラッグもなかった。ずいぶん成長したんだね、と言われ、長い年月に思いをはせた=高崎市で

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 遅咲きに加えて長く持った桜もすっかり散り、ハナミズキの見頃を待つという時分になった。ゴールデンウイークは特に、花を楽しむイベントが各地であるけれど、近年ではネモフィラが訪日客も含めて人気だそうだ。

 一面の青い花畑から続く初夏の真っ青な空がインスタグラムを中心に広がって、全国でもネモフィラ畑をつくるところが増えているとか。国営ひたち海浜公園が有名で、群馬県内でも館林のトレジャーガーデンで見られるようだけれど、私はまだネモフィラ畑に足を踏み入れたことがない。

 前から行きたいと思ってはいるが、そんな大人気ニュースを見てしまったので、しばらくはお預けだ。先送りしても、私もネモフィラ畑もまだ大丈夫だろう。何よりゴールデンウイークは映画館が書き入れ時にならないと困るから、自分のお出かけを考えるよりは、映画館に出かけていただく努力をせねばならないというものだ。

 さて先送りはあまりよろしくはないが、自分が待つ側の立場であるときには、いつまでも変わらずに居続けることを大事にしたいと思う。今年の高崎映画祭期間中、それを痛切に感じたことがあった。イベント終了後の大交流会の最中、見知らぬ番号から着信があった。この時期だし仕事関係だろうと出てみると、相手はかつての映画祭ボランティアスタッフのD君だった。

 出張で高崎に来たら、高崎駅に高崎映画祭のポスターや看板があった。懐かしく思い仲間と写真を撮っていたら、駅の方が撮りましょうかと声を掛けてくれたそうだ。自分が昔、映画祭のボランティアをやっていたことを話したら、志尾さんの名前が出て驚いた。それで連絡してみた、との事だった。実に十五年ぶり。これも何かのご縁だからと交流会に合流してもらい、再会を果たした。

 知っている人なんて誰もいないと思っていたら、志尾さんがいた。うれしい、と笑ったD君の言葉が、胸に刺さった。羽ばたいた人たちがまた、いつでも帰ってこられる場所に私はいたいなと改めて感じた時間だった。

 (シネマテークたかさき総支配人)

 

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