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【群馬】

前橋の連合会長ら14人 自治会費で慰安旅行 宿泊、宴会などで161万円

 前橋市のある地区の各自治会でつくる自治会連合会が二〇一六年、市民が納めた自治会費約百六十一万円などを使って各自治会長や市職員の計十四人で京都や奈良へ二泊三日の慰安旅行をしていたことが、分かった。京都・祇園の料理旅館や奈良の温泉旅館に泊まり、宴会費や二次会費、土産代などにも使っていた。市民には旅行の内容を知らせておらず、事実を知った市民からは非難の声が上がり、有識者らも問題視している。 (菅原洋)

 本紙が入手した旅館名を記した部屋割りによると、一六年十一月二十一〜二十三日の旅行に参加したのは、当時の自治会長十二人とその地区の公民館で担当者だった当時の市職員二人。

 入手した旅行の決算書では、収入部門の負担金として「自治会連合会研修費」として約百六十一万円を計上。収入には職員二人と自治会長五人が寸志として計十一万円を出したが、残る自治会長は払わなかった。

 支出部門では、総額の約百七十二万円を使用した内訳として、宴会費・二次会費・土産代などに約九十一万円、バスの中で飲酒した際のつまみ代や飲み物代に約三万三千円、観光施設の拝観・入場料に約七万三千円などを支出した。

 一人当たりでかかった費用は約十二万円。職員二人の寸志は合計で八万円にとどまり、足りない分を自治会費で払ったことになる。決算書の末尾に旅行を主宰したこの地区の自治会連合会長名が記載してある。

 連合会長は取材に、決算書と部屋割りが事実を記載した本物と認め、「自治会連合会の研修費は市民が納めた自治会費だ。市から自治会に出る補助金は使っていない。こうした慰労をしないと、ボランティアの自治会長は引き受けてがいなくなる」と釈明した。

 連合会長によると、慰安旅行は三十年近く年に数回続け、一般の自治会員には旅行の内容や決算書などを知らせてこなかったという。連合会長は「これからは自治会員に知らせることも考えたい」と述べた。

 この地区の自治会費は一世帯当たり年間で約五千円。決算書などを見た自治会員の男性は「驚愕(きょうがく)した。市民のお金を使っているという感覚がないのでは。時代遅れ甚だしく、許されない。説明責任があり、報告するべきだった」と憤った。

 全国自治会連合会の事務局は「自治会の研修旅行はあり得るが、慰安目的はあまり聞かない。個人的な費用を自治会費で負担し、決算書などを会員に示さないのも問題ではないか」と指摘。職員が参加した市生活課は「旅行の詳しい状況が確認できず、何とも言えない。自治会の運営費は透明性を確保してほしい」と話している。

◆住民に支出明細など 長年報告せず不適切

<森谷健・群馬大教授(地域社会学)の話> 全国的に自治会などで役員のなり手がいない傾向はある。ただ、旅行の大半が自治会費で賄われた点、内容と支出明細を住民に長年報告していない点は不適切だ。一般論として自治会などは民主的運営のなさや古さが言われ続けてきた。それが依然として残っているのかもしれない。今回の件を自治会などの今後を住民が考えるよい機会にしてほしい。

 

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