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【群馬】

裁判員裁判10年 経験者が課題指摘 「貴重な経験できた」「人生を左右は重い」

意見を交換する裁判員裁判の経験者たち=前橋地裁で

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 裁判員裁判が導入されて21日で10年になるのを前に、前橋地裁で裁判員の経験者による意見交換会があった。参加者からは「貴重な経験ができ、勉強になった」「裁判の仕組みを理解できた」などと肯定的な意見が出た半面、心理的負担や仕事との兼ね合いの難しさを指摘する声も上がった。 (市川勘太郎)

 交換会には、二〇一七年十二月〜一八年十一月の間に殺人未遂事件や傷害致死事件などの裁判を担当した裁判員経験者の男女計七人が参加。国井恒志刑事第二部総括判事が司会進行し、検察官や弁護士なども交えて、冒頭陳述や証拠調べのやり方に改善点がないかなどを議論した。

 五十代男性は「裁判員のために分かりやすくかみ砕いた資料はありがたく思った」と評価した。

 一方、五十代女性は「被害者が亡くなり、被告人は犯行当時酔っていて覚えていない中で事実を追いながら進めるのは難しかった」と振り返った。

 六十代男性は殺人事件の被告に神戸地裁姫路支部が無期懲役の判決を出した裁判員裁判で、審理期間が二百七日と最長だったことに触れ、「仕事をしているので四、五日連続の審理でも厳しい。難しい裁判を裁判員裁判で裁くのは厳しいのでは」と、日程について問題提起した。

 判決後の心理的負担を訴える参加者もいた。六十代男性は「判決が下り、被告人とその家族は今どうしているのだろうか、と前橋に来る度に思い出す」と述べた。別の六十代男性は「人の人生を左右するのは重いと感じる」と明かした。

 前橋地裁の相沢哲所長は「制度運用から十年が経過し、裁判員への参加意欲が低下傾向にあるのは憂慮すべき事態。地道な広報活動をしていきたい」と締めくくった。

◆地裁で意見交換会

 前橋地裁では裁判員裁判で一八年十二月末までに百七十六人の被告に判決を下し、千四百三十八人が裁判員、補充裁判員に選任された。

 裁判員の辞退率は最初の〇九年が48・8%、一〇年は45・6%、一一年は54・1%。〇九年と一〇年は欠格事由に該当するとして呼び出されなかった人などが含まれるため単純比較はできないが、一八年は69・4%と過去最高だった。

 

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