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【群馬】

館林の「里沼」が日本遺産に 独特な文化 評価に喜び

原風景と信仰の共存から「祈りの沼」と定義した茂林寺沼=館林市で

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 特色ある自然や伝統芸能など地域の有形・無形の文化財をテーマや地域ごとに認定する「日本遺産」に、館林市の「里沼(SATO−NUMA)−『祈り』『実り』『守り』の沼が磨き上げた館林の沼辺文化−」が選ばれた。沼を中心に地域の歴史や自然、人々の暮らしなどの独特な文化が育まれてきたことが評価された。 (池田知之)

 茂林寺沼は里沼の原風景と信仰が共存する「祈りの沼」、多々良沼は農業用水や川魚の食文化を担った「実りの沼」、城沼(じょうぬま)は天然の要害として館林城やツツジの名勝地を守ってきた「守りの沼」と位置付けている。

 認定を受け、同市の須藤和臣市長は「価値を認められたのはうれしい限り。市民の皆さんの誇りになる」と話す。市文化振興課は「認定を機に、市民が文化財を活用、再発見し、活性化につながれば」と期待する。

 観光客誘致の呼び水にも期待される一方で、環境維持を不安視する声もある。

 市観光協会副会長で、「茂林寺沼の自然を守る会」代表の古川正道・茂林寺住職(54)によると、茂林寺沼の一部では五年ほど前までは多くの雑草が茂り、古くからの湿地が失われつつあった。近年は、地元の市民や企業などの協力を受けて除草を続けてきた。

 日本遺産認定に伴い、古川さんは「沼が保全されるべきだと認知されるのはいいこと」としながらも、雑草の種が観光客の靴の裏などに付いて持ち込まれるケースが増えると指摘。「里山と同様、里沼も手を入れ続けないと守れないことを知ってもらえれば」と話す。

 日本遺産は、地域活性化や観光振興につなげようと、文化庁が二〇一五年に始めた。

 県内では、県と桐生市、甘楽、中之条両町、片品村とで、養蚕や絹織物とその生産に活躍した女性たちを結び付けた「かかあ天下−ぐんまの絹物語−」が同年に認定された。

 

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