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【群馬】

<志尾睦子のそふとフォーカス> (65)カンヌへ思いはせる5月

カンヌ国際映画祭の批評家週間で「典座TENZO」公式上映前にあいさつする富田克也監督(左)ら。富田監督は高崎映画祭とも縁が深い(共同)

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 五月の最大の関心事はカンヌ国際映画祭だった。今年は現地時間の十四日から二十五日までの十二日間。連日公式ホームページを眺め、配信されるニュースをチェックした。昨年はコンペティション部門で最高賞であるパルムドールを是枝裕和監督が受賞して大きな話題となった。何人もの日本人監督がカンヌの地を踏み評価をされてきたとはいえ、最高賞はやはりおいそれと取れるものではない。世界のコレエダの姿には本当に身震いがした。

 今年はコンペティション部門への日本作品の選出がなかったけれど、監督週間、批評家週間など他の部門での出品作はあるので、そちらの動向を気にしながら、配信される毎日のカンヌリポートを楽しみに過ごした。一方で、カンヌの前後はとても気忙(きぜわ)しく気持ちが張り詰める時期でもある。仕事相手の一部の方々とぱったり連絡が途絶えてしまうため、進行中の仕事のペース配分を気を付けねばならないからだ。

 世界中から集められた新作映画が上映される歴史と権威あるカンヌ国際映画祭では、同時に映画を売り買いするマーケットも開催される。映画上映もマーケットも世界最大規模を誇ることがカンヌの特徴。映画を出品するための関係者も、これから上映したい映画を探して買い付けに来るバイヤーも、世界中からカンヌを目がけて集まる。

 製作会社やプロデューサーらが、これから世に出す映画のプロモーションを行い、映画配給会社はその映画の権利を買い求め交渉をする。試写会が行われて実際に見られるものもあるけれど、企画や脚本段階で映画が売り買いされる世界なので、目利き力が問われる。日本で報道されるレッドカーペットや華やかな映画祭会場の様子とは全く別のところで、バイヤーたちは集中して映画の未来のために奔走しているというわけだ。

 余談だけれど、なかなか会えない大物映画関係者に会いたければカンヌに行けば確実に会えると言われてもいる。さて、来年こそはそれを狙いつつ、土産話をする方に回ってみたいものである。(シネマテークたかさき総支配人)

 

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