東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 群馬 > 記事一覧 > 6月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【群馬】

児童虐待の相談、最多1374件 18年度県児相 前年度比で2割増

児童虐待について意見交換するパネリストたち=前橋市で

写真

 2018年度に県の児童相談所に寄せられた子どもに対する虐待相談件数が、1374件(前年度比約21%増)と過去最多を更新したことが分かった。県は、千葉県野田市で小学4年の栗原心愛(みあ)さんが自宅で虐待死したとされる事件を受け、社会的な関心が高まったのが主な要因とみている。 (菅原洋)

 県内に児童相談所があるのは前橋、渋川、高崎、太田市の四カ所。県の調査は〇〇年度に始まり、虐待相談件数は十年連続で増え、八年連続して過去最多を更新し続けている。

 相談件数は千葉県の事件が繰り返して報じられた今年一〜三月だけで、四百二十三件(前年同期比二百五件増)と急増し、事件の影響の大きさを示した。

 相談は警察などからが最多の三百七十二件(前年度比百四十六件増)で、次いで近隣・知人からの三百九件(同百件増)となり、ともに大幅に増加。子どもの周囲だけではなく、警察も千葉県などの事件を受けて虐待への意識を高めている実態がうかがえる。

 種別では、暴言などの心理的虐待が六百七十三件と最多の半数近くを占め、身体的虐待が三百七十四件、育児放棄が三百十二件と続いた。

 年齢別では、小学生が最多の四百四十九件、三歳〜未就学が三百八十五件、〇〜二歳が二百七十八件となった。

 県児童福祉課は「相談が増えるほど早く事態を把握し、支援につながるため、虐待が少しでも気になったら連絡をお願いしたい」と呼び掛けている。

 こうした虐待の増加も踏まえ、県は高崎市で男が昨年三月に同居していた女性の乳児の鼻や口をふさぐなどして脳死状態にさせたとされる殺人未遂事件で、五月から有識者による検証作業を始めた。

◆「園児だけでなく両親ケアも」 前橋でシンポ

 児童虐待への取り組みについて議論するシンポジウム「児童虐待からこどもの命と心を守るために」が前橋市の県生涯学習センターであった。市民団体「群馬子どもの権利委員会」などが主催し、約六十人が参加した。

 県中央児童相談所の栗原真由美所長が二〇一八年度の児童相談所の虐待相談内容を紹介。玉村おひさま保育園の西晴美園長は親の虐待について「子どもを育てる側の親が、子育ての仕方や子どもの成長について教わってきていない現状がある」と指摘。「園児だけでなく両親のケアも必要」と家庭環境を把握する重要性を訴えた。

 群馬弁護士会子どもの権利委員会の舘山史明弁護士は、親の協力が期待できない場合に児童相談所との交渉を弁護士が行う「子どもに対する法律援助」制度を説明。虐待などで自宅に戻れない十代後半の子どもに生活場所を提供する「子どもシェルター」の県内への設置を求めた。

 群馬子どもの権利委員会の加藤彰男事務局長は「関心が高く多くの人に参加してもらった。行政、教育、市民団体の各方面でさまざまな取り組みがあることを共有し、対策を追求していくきっかけにしたい」と話した。 (市川勘太郎)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報