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【群馬】

ハンセン病患者の郵便物消毒 「栗生楽泉園」 県庁であすまで初展示

郵便物などを消毒した箱を見学する来場者=県庁で

写真

 草津町の国立ハンセン病療養所「栗生(くりう)楽泉園」で昭和期に患者たちがつづった郵便物の消毒箱などの展示が十九日、県庁で始まった。消毒箱の展示は園外で初めて。患者の郵便物に触れても発病の恐れはないが、当時は根深い差別と誤った知識から消毒された。見学は無料で、二十一日まで。

 消毒箱は幅と奥行きが各約三十センチ、高さは約四十センチのステンレス製。内部は下から約十センチの高さに多数の穴を開けた板を入れて上下を仕切っている。板の下にホルマリンの液体を置き、気化すると穴から上昇し、郵便物などを消毒する。

 同園に隣接する重監房資料館の北原誠主任学芸員は「かつては患者が入所する際に体を消毒して、患者の服などを処分する際は焼却した。消毒箱は患者たちに対する差別の歴史を示す資料」と解説している。

 患者たちが強制隔離された園内で火災が起き、消防署員らが駆け付けてくれない場合、自ら消火活動した際の法被や頭巾も並んでいる。

 同園で戦時中を中心に患者たちを監禁した懲罰施設「重監房」の内部通達文書はパネルで展示。園長が看守に電灯は「特に必要の場合のほかは点灯しないこと」と指示し、患者を日中でも暗黒の独房内に閉じ込めた過酷な処遇が分かる。

 展示は県が主催し、約十年前から毎年開いている。今回は患者たちに関連する十点の展示品と、写真や解説のパネル四十五枚を並べている。

  (菅原洋)

 

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