東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 群馬 > 記事一覧 > 7月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【群馬】

<志尾睦子のそふとフォーカス> (72)念じればかなう

行田市・古代蓮の里から届いた旅の1枚。母の感動が写真から伝わってくる=埼玉県行田市で

写真

 梅雨時季の撮影は雨に泣かされることが多いので、いつにも増して天候が気になる。数年前県内で撮影された映画は、連日の雨で毎度スケジュールが変わり大変だったと聞いた。天気でスケジュールが変わると、芋づる式にいろんなところに支障が出てくるものだ。そんないくつもの現場ネタが年々増えていくので、最初の年こそ、心配事ばかりが気持ちを埋めていったが、最近では心積もりの強度が増してきた。

 天気は特に、人間の力ではどうにもならない。心配しても嘆いても仕方がないので、どんと構える。言い換えると、良い方向に行くに違いないと気合と念を込めて粛々と事を進めるに限るということだ。あっけらかんとしていると場も和むし、良い雰囲気は福をもたらすものだ。他方、準備できるものについては用意周到に、ができていればパーフェクトなのだが、それの方が難しいのだから自分のアンバランスな成長ぶりに笑うしかない。

 さて。今年はどうだったかというと、いくつかの現場があったのだけれど、特に二つの組では、うまい具合に外シーンで雨が上がるという奇跡を何度も起こしていた。それぞれの組の監督と助監督は晴れ男らしい。特に、他の現場も自分がいると驚くほど良いタイミングで雨が回避できる、と豪語する助監督と一緒に何度も土砂降りの中で念をかけた。雲の動向を読める映画監督やカメラマンは多いが、念ずればかなうに勝るミラクルはない。東南アジアの方では、映画撮影に祈祷師(きとうし)が同行するのが通例で、雨雲をどかしたり連れてきたりするというから、われわれの晴れ男、晴れ女説も捨てたものじゃないと思ったりする。私は撮影前の夏越の祓(はらえ)が効いたのだとも思い天の神様に感謝する。

 撮影が一区切りついたので、早朝お礼参りに神社へ出向いたある日。すがすがしい気分で職場へ着くと母からメールが飛び込んだ。友達と古代ハスを見に行ったとのこと。心洗われる風景だったとのコメントに、自分の気持ちがリンクしてうれしい便りになった。

 (シネマテークたかさき総支配人)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報