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【群馬】

<政治決戦ぐんま>争点の現場から 知事選・交通弱者対策 高齢者、移動手段確保は

クルマ社会の県内では「高齢者の足」確保が急務だ=JR前橋駅前で

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 高齢者による事故が増える中、県内では運転免許証を自主返納する高齢者が急増している。クルマ社会の県内ではマイカーなしでは暮らせない高齢者も多く、免許返納後の生活に不安の声も上がる。公共交通が脆弱(ぜいじゃく)な現状で「高齢者の足」確保が急務となっている。(市川勘太郎)

 前橋市富士見町の女性(80)は十七日、同市の県総合交通センターを訪れ免許証を返納した。今年に入り返納を考えていた女性は、今年四月に東京・池袋で八十代の男性が運転する乗用車が暴走し、母子二人が死亡した事故がきっかけになったと話す。「自分も人の命を奪うことになるかもしれない」と返納を決意した。

 現在は同市中心部に娘と息子夫婦、孫と生活する。実家がある同市富士見町の実家までは車で二十分かかる。返納後は、同市がタクシー一回の利用で千円を上限に料金の半額を支援する「マイタク」を利用するつもりだ。「タクシーは高額すぎる。自己負担もあるが、ガソリン代だと割り切るしかない」と語る。

 同センターによると、自主返納者は今年四月は約六百五十人だったが、池袋の事故後に増加し、五月が七百八十五人、六月は九百四十五人に上った。うち六十五歳以上の高齢者は97・5%を占める。

 免許を自主返納した高齢者にとって、交通手段の確保は急務だが、群馬大の小竹裕人准教授(公共政策論)は「県内は道路の整備は進んでいるが、県内の路線バスは本数が少なく気軽に利用できる交通手段とは言えない」と指摘する。

 小竹准教授は、「車を利用しない外国人観光客のバス利用を増やして、利便性を向上させるなどして県民の公共交通に対するイメージ回復につなげる必要がある」と語る。今後の交通政策は、街のスリム化などまちづくりと連携した議論が不可欠とした上で、「高齢者が自宅からバス停まで行くために、自動運転の車の活用や、小型の低速電動バスなど新技術でのサポートも考えるべきだ」と提案する。

 二十一日投開票の県知事選に立候補している、ともに無所属新人で、県労働組合会議副議長の石田清人さん(62)=共産推薦=は、車がなくても暮らせるまちづくりを掲げる。元参院議員の山本一太さん(61)=自民、公明推薦=も、見守り・外出支援など、高齢者の日常生活を支援する政策を訴えている。

 

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