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【群馬】

萩原朔太郎賞に和合亮一さん 選考委員が前橋で会見「迫力ある表現並ぶ」

記者会見する5人の選考委員=前橋市の前橋文学館で

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 前橋市は5日、優れた現代詩を対象とした第27回萩原朔太郎賞(同市など主催)に、福島市在住の詩人の和合亮一さん(51)の詩集「QQQ」を選んだと発表した。5人の選考委員が同市千代田町の前橋文学館で記者会見を開き、選考過程や選評を述べた。選考委員は「自分自身の日本語を追い詰め、普遍的な視点で被災地の風景をよみがえらせてくれる」と評した。 (市川勘太郎)

 和合さんは福島県に生まれ、福島大学を卒業後、高校教師をしながら詩作を続けた。一九九九年に詩集「AFTER」で第四回中原中也賞を受賞。二〇一一年の東日本大震災直後からツイッターに詩を投稿し始め、投稿をまとめた作品「詩の礫(つぶて)」の仏語版は、一七年フランスの文学賞「ニュンク・レビュー・ポエトリー賞」(外国語部門)に選ばれた。

萩原朔太郎賞に決まった和合亮一さん(前橋市提供)

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 受賞作品では、震災や福島などの言葉が直接的には出てこない詩も多いが、テーマとして通ずる内容だという。選考では二作品に絞られ、多数決で四人が和合さんの作品を推した。

 選考委員で詩人の建畠晢(あきら)さんは「震災から時間がたったが、テーマは継続し、震災を体験していないわれわれの中に伝わってくる」、詩人の吉増剛造さんは「どこに表現してよいかわからない怒りが表れている」などと選評した。

 文芸評論家の三浦雅士さんは「人間の底がないような不安感がにじみ出るのを感じさせる迫力ある表現が並んでいた。迫力は脱帽するしかない」と評価した。

 和合さんは「私にとって詩を読むこと、書くことの始まりは、萩原朔太郎の詩集との出会いからでした。詩を書き始めて三十年、あらためて初心に帰ることができる気がいたします」とのコメントを寄せた。

 選考委員は、予備選考を行う推薦委員会で選ばれた六つの候補作品を審査した。副賞は百万円。授賞式は十月二十七日に前橋文学館で予定している。

 

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