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【群馬】

シカ肉弁当を南牧村名物に 元地域おこし協力隊・三好さん 週末限定で販売

手作りの「鹿喰めし」を手にする三好直明さん=いずれも南牧村で

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 南牧村の名物にしようと、元地域おこし協力隊員の三好直明さん(53)が今月、シカ肉を使った弁当の販売を週末限定で始めた。村に伝わる御柱(おんばしら)祭をヒントに「地域の歴史や物語を知ってほしい」と考案。食害で駆除されるシカの活用につなげる目的もある。東京電力福島第一原発事故から八年半。県内の野生鳥獣肉は出荷制限が続き、シカ肉は他県から取り寄せるが「将来の制限解除を見据え、少しでも盛り上げたい」と意気込む。 (石井宏昌)

 売り出した弁当は「鹿喰(かじき)めし」(六百五十円)。シカのひき肉と細かく刻んだコマツナ、ショウガをしょうゆなどで甘塩っぱく炒め煮して、ご飯とあえたまぜご飯。ショウガの風味が利き、シカ肉のそぼろは臭みなどなく、さっぱりとした味わいだ。三好さんの手作りで、村内の「道の駅オアシスなんもく」で原則土日の正午前後に販売する。

 三好さんは元伊勢崎市議で、高齢者施設の経営から隊員に転身した異色のキャリアを持つ。施設を譲り「高齢化率日本一の南牧村は日本の現状の最先端。現地に住んで考えたい」と隊員に応募。村内の古民家に移り住み、一昨年五月から二年間、高齢者施設の事務や村で自立するためのジビエ調査などを行ってきた。

 鹿喰めしのヒントは同村星尾地区の諏訪神社が舞台の御柱祭。総本社の諏訪大社(長野県)と同様に六年ごとにあり、県内の分社では唯一という。諏訪大社では古来、狩猟と肉食の免罪符「鹿喰免」を発行していたことを知り、村の諏訪信仰の歴史文化をジビエに結び付けようと考えた。

 県内の山間地ではシカによる農業被害が深刻で、昨年度は四千八百五十六頭を有害捕獲。狩猟を合わせると捕獲数は過去最多の八千七百二十九頭になった。南牧村でも被害に悩み、年間二百〜二百五十頭を有害捕獲する。こうしたシカの肉を食材に活用しようという試みだが、県内は原発事故による放射性物質の影響で全域で野生鳥獣肉の出荷制限が続く。

 三好さんは「県内のシカ肉はまだ活用できないが、商品を先行させることで可能性を広げたい」と長野県の業者からシカ肉を仕入れ、第一弾として販売に踏み切った。「手探りだが、シカ肉の食品を南牧のお土産として認知してもらい、村を訪れる人や機会が増える一助になれば」と期待を込める。

シカのひき肉と野菜のまぜご飯弁当「鹿喰めし」

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