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【群馬】

<志尾睦子のそふとフォーカス> (81)郷愁にかられる秋

今年は韓国のコミュニティシネマの事例を紹介。こうしてゲストをお迎えでき交流できることが何よりうれしい=埼玉県川口市で

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 先日、一年に一度の「全国コミュニティシネマ会議」が行われた。映画館、映画祭、映像に関連する博物館や美術館、配給会社や個人まで、主に地域の映画上映に関わる人たちが交流と情報交換をする。今年の会場は、埼玉県川口市にあるSKIPシティ彩の国ビジュアルプラザだった。もともとNHKラジオの放送局があった場所で、埼玉県の再開発事業により、映像産業拠点として生まれた施設だ。SKIPシティが誕生(全館開業)したのが二〇〇三年十一月、あれからもう十六年がたとうとしているのかと思ったら、何だか勝手に郷愁に駆られた。

 今思えばまだ、シネマテークたかさきが翌年末にできるなんて夢にも思わなかった頃。二〇〇三年の初夏、私は東京・京橋でこれから開講されるという映画上映専門家養成講座のガイダンスに出向き、そこでSKIPシティの立ち上げに関わるスタッフと知り合いになった。隣県にそんなにすごい施設ができるんだ、とその時初めて知り驚いた。

 ほどなくして始まった約半年間の講座では、個性あふれる講師陣や受講生とともに至福の時を過ごしたが、中でもSKIPシティの彼女との出会いは大きかった。「私なんて下っ端だから分からないことばかり」と言いながらも、彼女の視点で語られる、巨大施設が出来上がっていくストーリーには興味をそそられた。そして私はバイタリティーあふれる彼女自身に大きな影響を受けた。開講中にSKIPシティは開館しているので、その最中に週二回の講座に欠かさず出席する彼女の姿勢には本当に頭が下がった。

 講座修了後、しばらくは互いに近況報告をしていたけれど、私の環境が大きく変わったこともあり、忙しさにかまけていつの間にか連絡を取らなくなって久しい。彼女はSKIPシティでの数年間の任期を終えると、海外へまた新しいことの勉強に行っていたが、今はどうしているのだろうか。

 コミュニティシネマ会議も毎年開催され、今でこそ私も常連組になったが、かつての盟友の面影を探すような心境に自分がなるとは思いもしなかった。歳をとったんだなあと苦笑いしてしまった。 (シネマテークたかさき総支配人)

 

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