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【群馬】

前橋空襲の継承 7年で幕 あたご歴史資料館 来年3月閉館

展示品について話す原田恒弘さん(右)と今井弘之さん(左)=前橋市で

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 終戦間際の前橋空襲の悲惨さや戦時中の暮らしを伝えようと、前橋市住吉町二丁目の自治会が運営してきた「あたご歴史資料館」が来年三月に閉館する。運営者の高齢化に加え、後継者と財源不足により、存続が困難になった。展示品は閉館後、市が管理を引き継ぐ予定。 (市川勘太郎)

 資料館は旧母子福祉センターが空き家だったため、自治会が市から無償で借り受けて二〇一二年十一月に開館。入場は無料で、市の補助は受けずに自治会費で運営費を賄ってきた。

 館内は住民が提供した展示品が多く、約百八十点に上る。収蔵品を含めると三百点を超える。前橋空襲で社殿が焼失した愛宕神社の瓦や、付近にあった銭湯「愛宕湯」で溶解したガラスなどが並ぶ。昭和の暮らしを伝える生活用品もある。

 開館当初は八人で運営を始めたが、現在は前橋空襲の体験者で学芸員の原田恒弘さん(81)と運営委員の今井弘之さん(82)の二人が中心。開館日は以前の週三回から、五月からは土曜日の午後一〜三時の週一回に限定している。

 原田さんは七歳の時に空襲を経験。「防空壕(ごう)の中で抱きかかえ私を助けてくれたおばあちゃんや、人工呼吸をしてくれた歯科医師の助けで生き残った。恩返しをしたかった」と語る。

 その上で「前橋空襲を通して戦争はなぜ起きたのかを考え、平和を維持するために何をするべきか一人一人が考えてほしい」と訴える。今後も「体力が続く限り伝え続ける」という。

 原田さんによると、五日に山本龍市長が資料館を訪れ、原田さんらが展示品の引き継ぎを要請し、受け入れを了承したという。

 問い合わせは、開館時間のみ資料館=電027(289)4844=へ。

 

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