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【群馬】

ロヒンギャ若者ら サッカーチーム活動 館林の2世高校生中心、ビルマ民族と近く対戦

チームで練習する水野さん(右から2人目)=館林市で

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 館林市などに住むミャンマーのイスラム教徒の少数民族、ロヒンギャの若者らでつくるサッカーチーム「サラマットFC」が、ほかの国や民族のチームと試合を続けている。ミャンマーでは、ロヒンギャは不法移民とされ、迫害を受けている人たちだ。サラマットFCは近く、ミャンマーの多数派ビルマ民族と対戦し、スポーツを通じた交流を図る予定だ。 (池田知之)

 チームを中心となってつくったのは、在日ロヒンギャ二世で館林市在住の高校一年水野守さん(16)だ。水野さんは館林生まれで国籍は日本。栃木県佐野市の青藍泰斗高に通っている。

 チームができたのは、ミャンマーでロヒンギャと治安部隊の衝突があった直後の二〇一七年秋だ。多数のロヒンギャが殺された事件に衝撃を受け、館林市内のモスクでは、大人たちは深刻そうに顔を突き合わせるばかりだった。中学一年でサッカーを始めていた水野さんは、皆に元気になってもらおうとチーム結成を決心。チーム名はアラビア語で「平和」の意味の「サラマット」から命名した。

 チームは週二回ほど市内のグラウンドで練習を続け、今では小学生から二十代の社会人までの約二十人が参加している。うち十五人がロヒンギャで、日本人やスリランカ人もいる。

 今年夏には初めての交流試合として、ミャンマーの別の少数民族やベトナム人チームと対戦した。近くビルマ民族や、在日コリアンのチームとも試合をする。

 水野さんを応援している会社経営の父アウンティンさん(51)は「アメリカやカナダなどにもロヒンギャがいる。チームが海外に行って、現地のロヒンギャのチームと対戦して輪が広がれば」と話す。

 水野さんは「サッカーをすればお互い知り合えるし、仲良くもできる」と確信する。「ロヒンギャとビルマ民族が試合をしたことを、ミャンマー政府にも知ってもらいたい」と、和平のために期待している。

<ロヒンギャ> 仏教徒が9割を占めるミャンマーで、西部ラカイン州に住むイスラム教徒少数民族。州全体の3分の1に相当する約100万人がいるとされる。大半が仏教徒の同国では、ロヒンギャは先住民族とされず、隣国バングラデシュなどからの不法移民とされ、国籍を持たない。2017年8月には同州でロヒンギャ武装勢力と治安部隊が衝突。ロヒンギャは殺人や性暴力など深刻な迫害を受け、70万人以上がバングラデシュに避難した。館林市には日本にいる約300人のロヒンギャのうち、9割の約260人が生活。もともと同市には、バングラデシュ人やパキスタン人による、イスラム教徒のコミュニティーがあったため、1990年代、ロヒンギャが定住を始めたという。

 

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