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【群馬】

<志尾睦子のそふとフォーカス> (94)那須塩原で過ごす(下)

シンポジウムの一コマ。それぞれのトークに熱がこもり、いつまでも続けられる勢いだった=栃木県那須塩原市で

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 栃木県の「なすしおばら映画祭トライアル」に出掛けた十一月最終日。午前十時前に目的地に到着し、車を降りる。雲がたなびく水色の空が、見慣れた風景とは一味違う装いだ。前日に雪が降ったという那須塩原市はひんやりとした空気がとても気持ち良かった。

 今回のラインアップは六十分以内の短編映画で構成されている。AからDまで四つのプログラムに分かれ、上映作品は全部で十二本。私が登壇させていただくのは夜のDプログラムだから、一日映画を見て過ごそうと思っていた。意気揚々と受付窓口に行くと、那須塩原で生まれた映画を上映するプログラムBが既に売り切れとのこと。残念と同時にうれしさがこみ上げる。開幕前に売り切れることに、街の皆さんの期待が見えるようで、自分のことのようにうれしかった。

 そして映画祭の一日が始まった。新しい映画に魅了されることはもちろんのこと、久しぶりの監督や俳優たちとの再会もうれしい。Aプログラムにご登壇の那須塩原発短編映画「HARMONY」を撮られた日向朝子監督は、これが終わったらすぐ東京へ戻らねばならないという。大好きな日向さんとのつかの間を逃すまいと、私は矢継ぎ早に情報収集をする。東京育ちの彼女も、今はすっかり那須塩原の魅力を語れる一人である。日向さんを見送りつつ、映画祭会場を抜けて彼女にお薦めされたカフェへ行ってみた。

 古き良き街並みに、若い人たちのアイデアで新しいスポットがいくつも生まれているという。「インスタ映えする写真」を同行スタッフと競って遊ぶ。おいしいコーヒーとケーキ、そして店のにぎわいと街並みの風情をたっぷりと堪能し、映画祭会場へ戻った。

 最後のDプログラムは「シネマサーキットシンポジウム」。各地域の映画祭メンバーが、なすしおばら映画祭プロデューサーの川岡大次郎さんにエールを送り、来年の映画祭への期待を観客の皆さんと語らう時間となった。

 ここから新しいことが生まれる。その実感をつかめた記憶に残る一日となった。

 (シネマテークたかさき総支配人)

 

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