東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 群馬 > 記事一覧 > 1月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【群馬】

桐生の「王様クレイヨン」 30年ぶり自社製品を復刻

職人が試作を重ねている復刻版クレヨン

写真

 桐生市広沢町のクレヨンメーカー「王様クレイヨン商会」が、およそ30年ぶりに自社ブランドの製品を復刻する。トランプの絵札のキングをあしらった印象的なパッケージで、かつて多くの子どもたちから親しまれた製品だ。インターネットで資金を調達するクラウドファンディングで2月27日まで、復刻のための支援を求めている。(池田知之)

 王様クレイヨン商会は昭和初期ごろに東京で創業した老舗。製品は子どもたちに愛されたほか、童話「ごんぎつね」で知られる児童文学作家・新美南吉の作品「最後の胡弓(こきゅう)弾き」や、作家山口瞳のエッセーなどにも登場している。

 同社は数度にわたり経営主体が変わったが、現社長の荻野光一さん(55)の祖父と当時の王様クレイヨン商会の経営者が親しくなったのを契機に、1962(昭和37)年に桐生の現在地に工場が建設された。その後、荻野さんの父が経営権を得て社長に就き、荻野さんは98年に引き継いだ。

 クレヨンは人気を集めたが、不況などの影響で売り上げは伸び悩み、平成の初めごろに自社ブランドでの製造を中止。代わりに、床の傷を目立たないようにする補修材としてのクレヨンや、相手先ブランドによる生産(OEM)に注力するようになった。

 ただ同社には全国の往年のファンから復活を望む手紙がしばしば寄せられていた。荻野さんは「長く続いた企業の社長として歴史の重圧を感じる。クレヨンに思い入れを持っている人に届けたい」と決心、復刻を決めた。

 同社工場では、熟練の技術を持つ荻野社長らが主原料のパラフィンをかまで熱して、型に流し込む昔ながらの製法で試作を重ねている。

 クラウドファンディングで集める金額の目標は200万円で、支援額3000〜2万5000円の8種類を用意した。額に応じてクレヨン(20色入り)のほか、オリジナルのシャツやマグカップ、トートバッグなどの返礼品がある。クラウドファンディングのサイトは「王様クレイヨン クラウドファンディング」の検索ワードで調べられる。

 一連の製品は将来的に小売りも視野に入れている。

昭和期に製造されたクレヨン。クラウドファンディングでは20色セット(左下)を復刻する=いずれも桐生市広沢町で

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報