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【茨城】

<翔べ 平成から新時代へ> 水戸のトマト農業・三浦綾佳さん(29)

甘い「美容トマト」を育てる三浦綾佳さん

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 今年は平成が終わり5月1日から、新しい時代に入る。平成に誕生し、平成を駆け抜けてきた「平成人」は、新時代にどんな希望を抱き、どこに翔(と)び立つのか。茨城、栃木、群馬の北関東の舞台で、大きく羽ばたこうとする人々の思いに迫った。

 緑と水が豊かな水戸市北西部にある森の一角に、12棟のビニールハウスが立つ。その中で、柔らかな日差しを浴びた赤や黄のミニトマトがきらりと光る。農場「ドロップファーム」の代表を務め、実のつき具合や出来栄えを確かめる。

 広島県大竹市出身。親族の土地を借り平成27(2015)年に就農し、今年で5年目。ここでは土を使わず、医療技術を農業に転換したフィルムに根をはわせる「アイメック農法」を採用し、通常よりも高い糖度のミニトマトを栽培。「ドロップファームの美容トマト」というオリジナルブランドで販売している。

 売り場は自社サイトのほか、大手百貨店の三越銀座店など。農法はコストがかかるため、通常のミニトマトの3倍以上の値段だが、生産が追いつかないほどの人気という。今期収穫予定の約40トンも「既に売り先はほぼ決まっています」とキュートな笑顔をみせる。

 成功の秘訣(ひけつ)は徹底した販売戦略だ。「モノを知り、相手を知ること。相手のメリットが、自分が売るモノのどの点にあるかを提案できればモノは売れます」

 会員制交流サイト(SNS)で商品情報を発信する一方、自分で市場調査し、営業をかけて商談を取り付けた。売り先に合わせ、パッケージも変化させる。このノウハウは前職のアパレル会社やイベント会社などで培った。接客と販売が好きで職を転々としていた。

 転機は13年ごろ、長女の妊娠時だった。夫と東京で広告代理店を営み、体調が悪くても出張や仕事の締め切りに追われた。「仕事も子育てもしながら、キャリアアップができるのか不安を覚えた」。女性が本当に活躍できる職場は何か。模索していたところ、テレビで農法を知った。

 「農業未経験でも甘いトマトが作れるなんて。それができれば、自分のブランディングや販売する力を最大限に生かせる」と農業で再出発することを決めた。

 現在、13人いるスタッフのうち、ほとんどが子育て中の母親だ。働きやすい環境にするため、ハウス内の環境制御など作業の3分の1を機械に任せる。働き方改革の号令がかかる中、残業ゼロや、フレックスタイム制も実現させ、子どもの体調不良などに対応できるようにしている。

 農林水産省によると、17年の49歳以下の新規就農者は2万760人で、4年連続で2万人を超え、低迷した一時期より盛り返している。

 「平成は農業が面白いと気づいた人が増えた時代。農業の仕事はきついイメージだけど、改善すれば働きやすく、仕事の一つとして選ばれる時代になる。きっと未来は明るいと思いますよ」と見据える。「働く人の受け皿になるのはもちろん、独立して農業をする人を応援したい」 (山下葉月)

三浦さんが育てたトマトとトマトジュース =いずれも水戸市で

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◆平成人ひと言 おしゃれ大好き

 ファッションやおしゃれが好きで女性誌「CanCam」(キャンキャン、小学館)の専属モデルだった蛯原友里さんや舞川あいくさんに憧れ、コーディネートの参考にしていました。舞川さんは現在、写真家としても活躍していて、ドロップファームで一緒に仕事をする機会があり、とてもうれしかったです。

 

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