東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 茨城 > 記事一覧 > 1月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【茨城】

QR決済対応へ大洗一丸 10月予定・消費増税へ危機感

大里さんが営む旅館に設置されているペイペイ決済用のQRコード=大洗町で

写真

 大洗町の旅館や店舗で、スマートフォンによるQRコード決済への対応が進んでいる。背景にあるのは、十月に予定される消費増税対策で検討されているキャッシュレス決済時のポイント還元制度だ。未対応では観光客や消費者離れにつながるとの危機感は強く、大洗観光協会会長の大里明さん(41)は「スピード感を持って進めなければ」と町内の事業者へ導入を呼び掛ける。 (越田普之)

 大里さんは昨年十月、自身が営む旅館に、ソフトバンクとヤフーが設立した電子決済サービス会社「PayPay(ペイペイ)」のシステムを導入した。店に置かれるQRコードを客がスマホの専用アプリで読み取り、事前に登録したクレジットカードなどを通じて決済する仕組みだ。

 数ある電子決済から、大里さんがQRコード方式のペイペイを選んだのには、機材などの初期費用がかからないことに加え、手数料が二〇二一年九月末まで無料だったことが一つ。訪日客が多い中国で普及している電子決済システム「Alipay(アリペイ)」経由でも使えるというメリットもあった。

 利用してみて、「QRコード決済は中小でも無理なく導入できると感じた」と大里さん。消費増税に伴う対策が政府で本格的に議論される段階になり、商工業者主導でキャッシュレス対応を急ぐことにした。

 大里さんの働き掛けにより、これまでに町内の二十店ほどが電子決済を取り入れた。関心は高く、観光協会と町商工会が昨年十二月に開いた説明会には約六十事業者が参加した。大里さんは、十万人近い観光客が訪れる三月の「海楽フェスタ」までに導入店舗を大幅に増やしたい考えだ。

 「キャッシュレス先進県」を目指す県も、大里さんたちの取り組みを注視している。県はQRコード決済に関し商工業者などと意見交換する組織の設立に動いており、「早い時期に、どこかの自治体で実証実験をする予定」と担当者。その際、大洗町の事例を参考にしたいという。

 ただ、QRコード決済には通信障害で利用不能になる問題や安全上の不安が浮上している。ペイペイでも不正決済が確認された。

 大里さんも「新しい技術で不安はある」と明かす。一方で、「それ以上のメリットがある。消費が落ち込まないよう、町内を挙げて取り組まないといけない」と力を込める。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報