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【茨城】

<匂ひおこせよ 水戸の梅まつり> (下)維持 先見据え世代交代

「梅のトリアージ」で青い札がつけられた梅の木=水戸市の弘道館公園で

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 偕楽園や弘道館の梅の木に近づくと、小さな札が付けられているのが分かる。梅林の管理を手掛ける偕楽園公園センターの嘱託職員根本実継(みつぐ)さんが約三年前、手入れのため、人の救急医療で治療の優先度を決めるトリアージの手法を導入した。

 「梅のトリアージ」では、花がきれいで健康な木などに青、手入れを続けたい特徴ある古木などに緑色の札。一方、これらの木から栄養を奪わないように枝を切らないといけない木には黄、移植や伐採を検討する木には赤色の札をつけた。

 根本さんは「永久的に梅林を維持していくために、十、二十年後のことを考えている」と話す。

 梅の寿命は八十年ほどで、偕楽園と弘道館の約百種三千本のうち約百本が樹齢約百年と推定され、特別な味わいのある木も。枝がねじれたり、重くなった枝が倒れて竜が横たわったように見えたり、幹の一部が枯れて円形でなくなったりと特徴はさまざまだ。このうち、樹形や花の良い木は四角い竹の柵で囲い、目立つようにしている。

 根本さんは「見栄えのある古い木を植えた方がいいという意見もあるが、それでは何年か後には一斉に枯れてしまう」と、後継の木を育てる重要性を語る。

 梅の手入れは年中行事だ。虫よけや除草などのほか、実を収穫した後の六月中旬からは勢いよく伸びる枝を切り、落葉した後の十一月中旬からは樹形を整える。栄養が行き渡り、花がつきやすくなるという。

 年二回の剪定(せんてい)を請け負う県造園建設業協会の田中資康(もとやす)会長によると、樹齢や品種によって、剪定のやり方が異なる。「花で見分けようにも、同じ品種で花の大きさが異なる場合もあり、難しい。職人は知識や見極めが大事。経験も必要で、一人前になるには最低三年はかかる」

 造園も人手不足や高齢化に悩む業界の一つ。田中さんは「剪定は手作業が多く、機械化できない。若い人の確保に努力している」と話す。職人に興味を持ってもらい、志す人を増やそうと、高校生向けの剪定実習などに協力する。

 多くの職人たちの丁寧な手入れで毎春、可憐(かれん)に咲く梅を楽しめる。

 開花の時期は一月から三月にかけ大きく三つに分けられる。多くが咲きそろう三月十日前後からが、見ごろとされる。根本さんは「早咲きの梅を探したり、咲きそろった梅をめでたり、時期によって違う楽しみ方ができる」と紹介。今年も「水戸の梅まつり」が十六日に開幕する。 (水谷エリナ)

 

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